県内に住む60代の女性から、現金約1億4000万円をだまし取ったとして、詐欺の疑いで逮捕された男が18日、佐賀地方検察庁に送られました。女性は同様の手口であわせて約5億3500万円をだまし取られていて、警察は「匿名・流動型犯罪グループ」による犯行も視野に入れ捜査しています。 【大川内記者】 「午後0時半ごろの小城警察署です。田中容疑者を乗せた車が出てきました。これから身柄が佐賀地検へ送られます」 送検されたのは、神奈川県横浜市の自称アルバイト従業員、田中俊晃容疑者25歳です。 田中容疑者は3月、複数人と共謀し、県内に住む60代の女性に対し、長野県警の警察官になりすまして「お金を資金拘束します」などとウソをつき、現金1億4100万円をだまし取った詐欺の疑いが持たれています。 警察の調べに対し田中容疑者は、「今年3月に佐賀に行ったことは間違いないが、現金は受け取っていないし、分からない」と容疑を否認しています。 被害にあった女性は、今年2月から3月にかけて、警察官や検事を名乗る男から「あなた名義の口座が詐欺に使われていて、逮捕状が出ている。警察職員が自宅に向かう」などのウソを言われ、これまでに6回現金を渡し、あわせて約5億3500万円をだまし取られていました。 警察は田中容疑者を犯行の見張り役などと見ていて、SNSなどで実行役を集め離合集散を繰り返す「匿名・流動型犯罪グループ」による犯行も視野に入れ捜査しています。 佐賀県警によりますと、今回の被害総額は、県内のニセ電話詐欺の中で過去最高額としています。