「自称・広末涼子、逮捕」の一報から10日ほどが過ぎ、4月16日早朝に釈放された。 この出来事については驚きより、これでひと区切りかなという印象が強い。14歳で始まった芸能人生の大きな節目に感じられるのだ。 芝居や歌、CMといった本業はもとより、大学入学や恋愛、結婚、出産、離婚、不倫といった話題でも関心を集めてきた広末涼子(44)。芸能人とはそういうものだが、彼女は特に私生活も注目されるタイプだ。それは「作品」以上に「イメージ」で売れてきた人だからだろう。 ここ数年、おそらく「ゲス不倫」のベッキーあたりから、こういうタイプの芸能人がひとつのやらかしで一気に転落するケースが相次いでいる。広末の場合は、傷害による逮捕というれっきとした事件でもあり、イメージの失墜は免れない。そういう意味での、ひと区切りかなという印象だ。 ■「清純派」というイメージに不安 ただ、本人はイメージで売れたことについて、昔から不安も抱いていた。1999年出版のエッセー本『広末』(角川書店)に、こんな文章がある。 「妹とかは『お姉ちゃんが清純派だって~』と大笑い。ちょっとその笑い、どういう意味よ~! って怒ったんだけど、たしかに『清純派』は自分でも良すぎかなって思った。(略)だって私、本当にフツーの高校生だから」 ではなぜ、本人いわく「フツーの高校生」が「清純派」として輝いたか。 それは、当時の彼女がかもしだしていた雰囲気と、所属事務所の戦略、そして時代背景が絶妙にシンクロしたからだ。 高知の裕福な家庭でのびのびと育ち、陸上に熱中しつつも、勉強もそこそこでき、見た目は黒髪ショートの似合う色白ボーイッシュ系。デビュー時に所属していた事務所も、浅田美代子や河合奈保子、西村知美といった清純派アイドルを輩出した大手芸能事務所「芸映」の流れをくんでいた。 一方、90年代の芸能界は宮沢りえのヌード写真集やイエローキャブ勢のセクシーグラビアで盛り上がり、音楽のトレンドは小室ファミリーに代表されるダンスミュージック。その小室ファミリーでもあった安室奈美恵がファッション面でも影響を与え、まねをする若い女性がちまたにあふれつつあった。