阿部寛が主演を務める映画『俺ではない炎上』が、9月26日に全国公開されることが決定。あわせて特報映像とティザービジュアルが公開された。 本作は、第36回山本周五郎賞候補にもなった浅倉秋成の原作小説『俺ではない炎上』を、山田篤宏監督が実写映画化するもの。 阿部が演じるのは、ある日突然SNSで身に覚えのない事件の犯人に仕立て上げられ逃亡をはかる主人公の山縣泰介。阿部は本作について「非常にチャレンジングでやりがいのある作品」とコメントしている。 原作の浅倉からは「今作を映画にしていただけると聞いたとき、きっと主演の方は主人公と同様、とんでもなく苦しい思いをされるに違いないと予感しました。阿部寛さん、申し訳ありません。本当に本当に、完成が楽しみで仕方がありません」という“期待”のコメントも寄せられた。 公開された特報映像では、「この男が犯人です」というテロップと共に映し出される山縣泰介(阿部寛)の笑顔の切り抜き写真から始まる。ニュースで女子大生殺人事件があったと報じる中、SNSでは犯人の特定が始まる。「ある日突然、SNS上で犯人に仕立てあげられた男」というナレーションと共に映し出されるのは事件の犯人を憶測だけで語るSNS投稿群。その憶測は次第に加速し、山縣泰介のものと思われるアカウントに犯行現場の写真がアップされていた事や、過去の投稿などから「犯人は大帝ハウス営業部長の山縣泰介に決定!」と犯人説がいつのまにか真実かのように独り歩きを始め、ネットで“山縣泰介”が大炎上。私人逮捕に名乗りを上げる配信者や自身が正義と疑わない人々に追いかけられる山縣は「私は無実です!」と必死に訴えるもその声は誰にも届かない。そして彼に覆い被さるように映し出されるタイトル『俺ではない炎上』。タイトルあけの「なんなんだよ……なんなんだよ!」と憤懣やるかたない山縣の声がエレベーターの中にこだまする。 あわせて公開されたティザービジュアルでは、“炎上まとめ速報”というSNS上でよく目にする投稿画面の中に帽子、ランニングウェアに身を包む予期せぬ瞬間を撮影され驚いた表情を見せる山縣泰介の写真が配されている。 ■コメント ・阿部寛(山縣泰介役) オファーをいただいたとき、まず「この物語には現代社会の問題が色濃く反映されている」と感じました。SNSでの無責任な拡散、根拠のない炎上、そして家族との絆の再構築——これらが一つのドラマとして融合していて、非常にチャレンジングでやりがいのある作品になると感じました。逃げながら人間性を取り戻していく男の姿は、シリアスであればあるほど滑稽でもあり、演じるうえで細やかな感情の起伏が求められた。人間としての弱さ、強さ、そのどちらも丁寧に表現したいと思いました。この作品を通して、家族や人とのつながりの大切さを改めて感じてもらえたら嬉しいです。 ・山田篤宏(監督) 本格的なサスペンス・ミステリーでありながら、どこかユーモアのある原作の世界観の中で、国民的スターである阿部さんの魅力をどうやって丸裸にしようかと考えて撮影に臨みました。SNSという現代的なテーマを扱っていますが、決して敷居の高くない、誰にでも楽しんで頂けるエンターテイメントに仕上がりつつあると思います。ご期待ください! ・浅倉秋成(原作) 現代で起こりうる最悪の悲劇って何だろう。考えた結果、私が辿りついたのは、無実の罪を着せられたことによる大炎上でした。まったく心当たりがない。なのに、巧妙に犯罪者に仕立て上げられている。助けを求めても、弁明をしても、誰も手を差し伸べてくれない。どころか、状況はひたすらに悪くなっていくばかり。 肉体的にも精神的にも限界まで追い詰められていく主人公を書こうと奮闘したものですから、今作を映画にしていただけると聞いたとき、きっと主演の方は主人公と同様、とんでもなく苦しい思いをされるに違いないと予感しました。阿部寛さん、申し訳ありません。本当に本当に、完成が楽しみで仕方がありません。 ・筒井竜平(プロデューサー) ある日突然【殺人犯】として世間に個人情報が晒されてしまった主人公、山縣泰介。 身に覚えは全くないが、逃げる他なく―――。 浅倉秋成さんの書かれた小説『俺ではない炎上』は、現実と地続きで圧倒的にリアルな掴みで始まります。瞬く間に犯人と断定され、身近な人だけでなく、赤の他人からも好き放題に言われる、いわゆる炎上状態に。「俺は悪くない」「誰が俺をハメたんだ?」仕事も家庭も真面目に一生懸命やってきたはずの主人公が「もうどうなってもいい……」というところまで追い込まれていく様は、サスペンスを超えて、もはや滑稽にも見えてきます。しかし、我々はそれを笑っている場合なのでしょうか? 明日は我が身!? ノンストップ炎上エンターテイメント開幕! 今回、主人公、山縣泰介を阿部寛さんが演じて下さいました。 映画化企画立ち上げ当初からの念願が叶った次第です! 映画館でご覧いただける日を楽しみにしております。