カナダで車が祭りに突っ込み、11人死亡 逮捕の男に精神疾患の既往歴か テロの証拠なしと当局

カナダ西部バンクーバーで26日夜、男が運転するスポーツ用多目的車(SUV)が群衆に突っ込み、少なくとも11人が死亡、数十人が負傷した。当時、現場の路上ではフィリピン系住民の祭りが行われていた。 警察は30歳の男を逮捕。男は精神面の問題を抱えているとされ、当局も把握していたという。当局はテロを示す証拠はないとしている。 「今日は我が市の歴史上、最も暗い日となった」 カナダ西部バンクーバーで26日、フィリピン系住民の祭りがおこなわれていたところに車が突っ込んだ事件について、会見した同市警察のトップはこう述べた。「昨夜26日の午後8時過ぎ、黒色のSUVを運転していた男が、サウスバンクーバーで開催されていた祭りの会場において、大勢の人々に車で突っ込んだ。(中略)拘束中の人物には、警察および医療機関との間で、精神衛生に関連する重大な接触歴がある」 警察は、現場で30歳のバンクーバー在住の男を逮捕した。テロ行為との関連性は確認されていない。 事件は、アジア系住民が多く住むバンクーバー南部地区で発生。目撃者によれば、容疑者は警察が到着するまで、周りにいた人たちによって取り押さえられていたという。 目撃者は衝突音を聞いた後、遺体を目にしたと話す。「男はアクセルを全開にして、目の前にいた人全員に突っ込んでいった。大きな衝突音を何度も聞いた。多くの遺体を目にしたため、すぐに引き返した」 カナダのカーニー首相は27日、フィリピン系コミュニティに哀悼の意を表した。 カナダ カーニー首相 「昨夜、多くの家族が姉妹兄弟、母や父、息子や娘を失った。彼らは、すべての家庭が恐れる悪夢を実際に経験している」 発生から12時間以上が経っているが、警察はいまのところ事件の動機解明には至っていない。祭りには専従の警備配置や、大型車両によるバリケード設置などは行われていなかったという。 カナダでは米国ほどではないものの、大規模な死傷事件がしばしば発生している。また今回の事件は、カナダの総選挙が行われるわずか2日前に起こった。

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