逮捕された矢沢勇希容疑者(28)は学校職員が下校の見守りをする中で児童らを次々とはねた。学校の正門を出て、わずか数十メートル。白色のレンタカーが突然、道路に引かれた白線の内側を歩いていた小学生らに突っ込んだ。 現場は車が1台ほどしか通れない一方通行の細い道で、救急車やパトカーのサイレン音がけたたましく鳴り響いた。 「ママ」「帰りたい」。巻き込まれた児童の中には頭から血を流している子もいた。他の児童も背中や足が痛いと泣きながら訴えた。「あの人が突っ込んだ」と、矢沢容疑者が運転していた乗用車を指す子もいたという。 近くに住む男性(81)は「子どもたちはパニックになって泣き叫んでいた。けががひどい子は、側頭部あたりを押さえていたタオルが血で真っ赤になっていた」と振り返った。 近所の自営業の男性(23)は、児童をはねた後の容疑者の様子を目撃。抵抗するそぶりを見せず、学校関係者や保護者が「何してんねん」と詰め寄っても無表情で言葉を発しなかった。男子児童の足が右後輪の下敷きになっていたため、車を後退させるよう指示されると、素直に従ったという。 男性は「子どもらを殺そうとしていたと聞いて驚いた。動機が何であれ、やっていいことと悪いことの分別はつけるべきだ」と憤った。 子ども2人が千本小に通う男性(46)は「ここは車の通りが多いから気をつけるようには言っていたが、向こうから突っ込んでこられると、どうしようもない。許せない」と話した。【露木陽介、松原隼斗、井手千夏】