「全てが嫌になった」憎悪募らせた西成7人負傷事件の容疑者 繰り返す無差別殺傷事件

大阪市西成区で児童7人を車ではね、殺害しようとしたとして大阪府警に殺人未遂容疑で逮捕された矢沢勇希容疑者(28)は「全てが嫌になり、人を殺そうとした」などと供述しているという。事件の詳しい動機や背景はまだ不明だが、自暴自棄になり無差別に襲った可能性がある。境遇への不満などを晴らそうと、社会に矛先を向けた同様の事件は過去にも相次いでいる。 平成13年に児童8人が殺害され、15人が重軽傷を負った大阪教育大付属池田小事件の宅間守元死刑囚=事件当時(37)=は社会への憎悪と復讐(ふくしゅう)心を募らせ、凶行に走ったとされる。 20年、東京・秋葉原で歩行者天国にトラックで突っ込み、ナイフで襲うなどして7人を殺害、10人に重軽傷を負わせた加藤智大元死刑囚=事件当時(25)=は「生活に疲れた。殺すために秋葉原に来た。誰でもよかった」などと供述。自動車工場で派遣社員として働いていたが、リストラへの不安や周囲への不満を募らせ、ネット掲示板に《みんな死ねばいいのに》などといらだちをぶつけていた。 その後も、36人が死亡、32人が重軽傷を負った令和元年7月の京都アニメーション放火殺人事件や、26人が犠牲となった3年12月の大阪・北新地のクリニック放火殺人事件など、孤立を深めた末、恨みや不満を募らせて周囲を巻き込む事件は後を絶たない。 法務省法務総合研究所が平成25年に実施した調査では、無差別殺傷犯52人のうち、33人が犯行時に周囲との交友がない、または希薄だったとされた。

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