高知県警 今年度の採用試験から制度を大幅に見直し その狙いは?【高知】

少子化などの影響で全国的に働き手不足が進むなか、地域の安全を守る警察官も担い手が不足しています。 そんな中、高知県警では今年の採用試験から制度を大幅に見直しました。その中身とは。 「何者にもとらわれず、何者をも恐れず、何者をも憎まず、良心のみに従い不偏不党かつ公平中正に警察職務の遂行にあたることを固く誓います」 4月4日、南国市の県警察学校でおこなわれた入校式。50人の新人警察官たちは、半年から10か月の間、寮生活を送りながら法律の知識や逮捕術などを身に着け、県内の警察署に配属されていきます。 地域の安全を守る警察官。ここ数年、大きな変化が。 ■県警本部警務課・採用担当 濱田航志さん 「警察官の採用試験申し込み状況はこの10年間で約半数くらいまで減少していて厳しい情勢が続いている」 県警本部によりますと県内の警察官の受験者数は、2014年に455人でしたが、2024年度は212人と10年で半数以下にまで減っています。 県警では、少子化にともなう労働人口の減少が大きな要因と分析します。 民間企業も含めた人材獲得の競争が厳しくなる中、県警では、採用強化のために若年層を意識した印象的なPR動画の作成や電車のラッピング、SNSなど積極的に広報活動に力を入れてきましたが、効果は思ったほどあらわれていません。 ■県警本部警務課・採用担当 濱田航志さん 「最近のSNSは利用者のカテゴリーに沿った情報のみが発信される特性がある なかなか工夫を凝らした広報を行っても(対象者に)届けにくいという状況にある SNS等での発信とは別の角度からその人自身の能力を活用する方向から高知県警の力になりたいという人を募集していきたいと考えている」 そこで、県警が2025年度の採用から取り入れたのが「資格加点制度」です。 この制度は、特定の資格を持つ人に対し、130点満点の採用一次試験において最大10点が加えられます。 全国の警察本部で採用が進められていて、県警でもこれまでの制度の見直しを図ることにしました。 なぜこのタイミングでの変更なのでしょうか。 ■県警本部警務課・採用担当 濱田航志さん 「高知県警ではかなり資格加点制度の内容が薄く全国的には幅広いジャンルの資格加点が行われていることがわかり、幅広い人から受験をしやすい環境を作るという意味で採用の資格加点制度の間口を広げた・拡充したという流れになる」 県警では、これまでの情報処理に加えて武道・語学・財務・その他の4つの区分を新たに追加。なかには、大型自動車や小型船舶操縦士など高知県独自の項目も加えました。 その狙いとは? ■県警本部警務課・採用担当 濱田航志さん 「今後発生しうる南海トラフ地震の際に発生後大型免許・小型船舶の免許を持っている人が現場で有効に活躍できるということでこういった資格を持っている人を採用したいという狙い」 語学についても、県内の外国人在住者の増加、海外からの観光客への対応力などが求められると、英語や中国語、韓国語に加えて、県内で生活する外国人の数で最も多いベトナム語も追加されています。 また、県警では福利厚生に力を入れていて令和6年度の有給休暇取得率は平均14日を上回っていて、男性の育児休業取得率も約6割まで上がっています。 さらに、県警では次回の採用から初任給を引き上げる方針で大卒ではこれまでより2万7200円多い25万7400円、大卒以外ではこれまでより2万5200円多い22万700円としています。 ■県警本部警務課・採用担当 濱田航志さん 「警察官というのは地域の安全・安心を守る役割を担っているので (受験者数の減少は)安全・安心を守る力の低下にもつながる恐れがでてくる。福利厚生も充実しているので幅広い人からぜひとも高知県警の受験をしてほしい」 令和7年度の警察官採用は、大卒は5月9日まで応募を受け付けていて大卒以外は7月1日からの応募受け付けとなります。

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