上武道路家族3人死亡事故から1年 遺族 飲酒運転根絶訴え 群馬・伊勢崎市

事故から1年。遺族が群馬テレビの単独取材に応じ、「二度と同じような事故を起こしてほしくない」と飲酒運転の根絶を訴えています。 「これがすごくかわいくて。かわいいよね。目がくりくりってしてる。」(湊斗ちゃんの母・祖母) アルバムを眺める2人の女性。去年5月6日の交通事故で塚越湊斗ちゃんと父親の寛人さん、祖父の正宏さんの3人を亡くしました。 「事故の時とあまり変わらない。特に受け入れられずこのまま1年過ぎた。戻ってきてほしいとしかない。」(母) 事故は、伊勢崎市の国道17号・上武道路でトラックが中央分離帯を乗り越え対向車線の乗用車2台と衝突。事故を起こしたトラック運転手の男からは基準値を超えるアルコールが検出されました。 「信じられないという気持ちだった。事故が起きただけでショックなのに、さらに飲酒運転までって感じで。」(母) 「何にも悪くないのにあっという間に3人命を奪われちゃってどうしようもない。怒りしかない。」(祖母) 前橋地検は当初、男を逮捕容疑の「危険運転致死傷」より刑が軽い「過失運転致死傷」の罪で起訴し、飲酒運転については「捜査を継続する」としていました。これに対し、遺族は前橋地検に「危険運転致死傷」に訴因を変更するよう求める要望書を提出。運転手に厳罰を求める署名活動もオンラインで始めました。 「過失運転致死傷罪のまま起訴されて、そのまま裁判になるというパターンもあるのかなと考えると、悔しい気持ちで向かうのは私たち遺族側の意見としては納得できることではないので、自分たちができることって考えたらその時は署名活動しかなかった。」(母) 前橋地検はその後の捜査で飲酒の影響を認定し、「危険運転致死傷」への訴因変更を前橋地裁に請求しました。遺族は街頭での署名活動も実施し、前橋地裁は訴因変更を認めました。遺族は集まった約8万3000人の署名を前橋地検に提出しました。 「これだけの方が賛同してくれているんだと思うと、とても心強いなと思った。」(母) これまでの活動の原動力は、亡くなった家族への思いです。 「思い出すというよりかは常に頭の中にある。湊斗はとにかく優しくて、人のことも大切にできるし自分のことも大切にできる賢い子だった。寛人は本当に親バカでしたね。湊斗のことが大好きすぎてデレデレって感じで、お世話もしっかりやってくれたのでいい父親だったと思う。」(母) 事故当時、母親のお腹の中にいた第2子となる男の子は現在9カ月に。この男の子の存在も励みになりました。 「この子の存在、この子がいるからしっかり生きなきゃなと気持ちを保てるようにはなった。」(母) 最愛の家族を亡くし、事故のつらさを抱えながらも奮闘してきた2人。今後の裁判で厳罰を求めるとともに「二度と同じような事故を起こしてほしくない」と飲酒運転の根絶を訴えます。 「一人ひとりの意識。飲酒運転はだめっていうのが当たり前の話なので、自分は大丈夫だという過信をなくしてほしい」(母) 「こんな悲惨な事故を絶対に今後起こしてほしくない。飲酒運転だけはやめてということは声を大にして叫びたいくらい。」(祖母)

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