診断書を偽造して業務災害補償約250万円をだまし取ったとして、大阪府警は7日、元保険代理店社員の吉田尚史容疑者(46)=岐阜市上土居=ら2人を詐欺と有印私文書偽造・同行使の疑いで逮捕した。府警は2人の認否を明らかにしていない。 他に逮捕されたのは、大阪府阪南市光陽台4の自営業、辻林浩司容疑者(52)。 2人の逮捕容疑は、辻林容疑者が業務でけがをしたという虚偽の診断書を作成し、けがが理由で会社を休んだように装った。2021年6月下旬、この診断書を三井住友海上火災保険(本社・東京都千代田区)に提出して保険金を請求し、約250万円をだまし取ったとしている。 府警捜査2課によると、2人は知人同士で、辻林容疑者が実際には勤務していない会社の社員であるように装っていた。虚偽書類の作成や申請といった手続きは、当時保険代理店の社員だった吉田容疑者が担っていたという。 業務災害補償は政府が管理する労働者災害補償保険(労災保険)とは別に、民間保険会社が提供するサービス。事業主が任意で加入し、労災保険ではカバーされない補償が受けられることから「上乗せ保険」などと呼ばれる。 府警は、親族がけがをしたと偽って別の保険会社から業務災害補償約170万円をだまし取ったとして、吉田容疑者を詐欺容疑で4月に逮捕していた。【川地隆史】