神奈川県川崎市の女性遺体遺棄事件に関連して、ストーカー被害の訴えに対する警察の対応が不十分だったと遺族らが訴えている問題で、警察庁トップの楠芳伸長官は8日の定例会見で「神奈川県警からは今後の捜査を通じて改善すべき点がなかったか確認していく旨の報告を受けている」などと言及しました。 川崎市に住む岡崎彩咲陽さんの遺体を自宅に遺棄したとして、元交際相手の白井秀征容疑者が逮捕された事件では、神奈川県警が岡崎さん本人や親族からのストーカー被害の相談を受けていたものの、ストーカー規制法にもとづく措置を取っていなかったことが明らかになっています。 警察庁の楠芳伸長官は8日の会見で「神奈川県警察からはご遺体で発見された女性と断続的に交際を行っていた容疑者について、去年6月以降、女性やその家族からの相談を受け、その都度対応を行ってきたが、一連の対応にもかかわらず、結果として重大な事案となったことを重く受け止めており、今後の捜査を通じて改善すべき点がなかったか確認していく旨の報告を受けている」などと話しました。 そのうえで、「人身安全関連事案は事態が急展開して重大事件に発展するおそれが極めて高いことから、被害者などの安全の確保を最優先に対処することが肝要である」と話し、当時、神奈川県警でこうした対応がされていたかしっかり確認するよう指導していくとしました。