国の天然記念物のオカヤドカリ数千匹を所持したとして逮捕された中国籍の男3人の身柄が、8日、鹿児島地検名瀬支部に送られました。逮捕に至ったきっかけは3人が宿泊していたホテルの従業員がおぼえた「違和感」でした。 送検されたのは、いずれも中国籍で職業不詳の寥智斌容疑者(24)ら3人です。 奄美警察署によりますと、3人は共謀し、奄美市内の宿泊施設などで国の許可を受けずに天然記念物のオカヤドカリ数千匹、あわせて160キロを所持した疑いです。天然記念物のオカヤドカリをとったり、持ち運ぶには国の許可が必要です。 1人は「奄美大島の海岸でとった」などと話しているということですが、警察は、3人が容疑を認めているかどうかについて、「捜査に支障がある」として明らかにしていません。 3人が宿泊していた奄美市のホテルです。 先月30日から泊まっていた3人は当初4泊の予定でしたが延泊することになり部屋を移動。3人がいた部屋に新たにチェックインした次の客から驚きの言葉が返ってきました。 (ホテルビッグマリン奄美 田畑敬一郎支配人)「『部屋にヤドカリがいる』。なんで清掃が入ったのにヤドカリがいるんだろうと思って」 中国人3人はチェックアウトの日、フロントにスーツケースを預けました。この時、田畑さんは”ある違和感”をおぼえたと言います。 (ホテルビッグマリン奄美 田畑敬一郎支配人)「(スーツケースが)やたら重くて、なかからカリカリ音がしてたもので」 3人が「夜の船で鹿児島に行く」と話したことから、「いよいよ怪しい」と感じ環境省に電話で相談。連絡を受けた環境省の職員と警察が駆けつけ逮捕に至りました。オカヤドカリは夜行性で、3人は毎日夜になると外出していたということです。 (ホテルビッグマリン奄美 田畑敬一郎支配人)「世界自然遺産になって島の生態系とかを崩すようなことをされるとショックというか残念な気持ちになった」 押収されたオカヤドカリ数千匹のうち2、30匹は死にましたが、残りは奄美市の保護施設に移されました。専門業者によりますと1匹2万円で取引されることもあるということで、警察が動機などを調べています。