〈「人間と思わず、犬か猫を殺すつもりでやるのよ」出刃包丁を突き刺してえぐり、死体は床下に…「悪魔」と呼ばれた女が隠していた“もう一つの殺人”《ホテル日本閣事件》〉 から続く いまから60年以上前に起きた「ホテル日本閣殺人事件」。犯人の小林カウは、夫ら3人を殺したとして戦後初めて死刑が執行された女性で、「日本最大の悪女」「毒婦」と呼ばれた。ただ、彼女が歩んだ人生を振り返ってみると、はたしてどれだけの悪女・毒婦だったのか……。もしその“称号”通りだとすれば、そうした人格はどのようにしてつくられたのか? 当時の新聞記事は見出しはそのまま、本文は適宜書き換え、要約する。文中いまは使われない差別語、不快用語が登場するほか、敬称は省略する。(全3回の3回目/ はじめ から読む) ◇◇◇ 下野新聞(以下、下野)は3月2日付で次のように報道。事件は新たな展開を見せる。