西武ドラ2・渡部聖 清原以来のパ新人打率3割へ今季3度目3安打で打率.343「3本出たので凄い収穫」

◇パ・リーグ 西武10―0ロッテ(2025年5月11日 ベルーナD) 西武のドラフト2位・渡部聖弥外野手(22)が11日、ロッテ戦で決勝打となる先制打を含む3安打1打点。今季初の2桁得点となる10―0での完勝と4連勝に貢献した。86年に31本塁打、打率・304などで新人王を獲得したOB・清原和博氏(57)がテレビ解説のため来場。今季3度目の猛打賞で打率・343とし、パ・リーグでは清原氏以来となる新人打率3割へ突き進む。 ファンが右へ左へ。通称“民族大移動”。西武の「チャンステーマ2」の大合唱が左翼席で始まった。元は清原氏の応援歌だ。3回1死一、三塁。渡部聖は「“清原さんの(応援歌)”というのは聞いたことがあった。感じながら立った」と打席に立った。 放送席の清原氏は胸が高鳴っていた。12年にテレビ番組の収録で訪れて以来13年ぶりという古巣の本拠地。懐かしいメロディーに「ありがたいです。ドキドキします」と言った直後だった。渡部聖が石川柊のカットボールを中前にはじき返す先制打。これが今季チームトップ3度目の決勝打で、今季3度目の4連勝と最多の貯金4に導いた。 放送ブースで清原氏は「素晴らしいバッティング。(並のルーキーとは)全然違う」と絶賛。伝え聞いた渡部聖は「本当にありがたいです」と喜んだ。通算525本塁打のレジェンドが引退した08年は6歳。記憶はないが、後に現役時代の動画を繰り返し見て「黄金期を支えたとんでもないスーパーバッター」と凄さを実感した。大商大時代の昨年3月18日には対面もした。同大で行われた慶大との練習試合で、清原氏が長男・正吾さんの応援に駆けつけた。「テレビで見るより凄く大きかった。こういうバッターがホームランをたくさん打つんだと思った」。写真撮影はお願いできたが、緊張で会話はできなかった。 7回に左前打、8回にも中前打して4月8日の同じロッテ戦以来1カ月ぶりの3安打をマークしたルーキー。清原氏は「どんな球にもタイミングが取れる」とうなった。右足首捻挫で一時離脱したが、チーム34試合目で34安打と年間143安打ペースで打率は.343。パ・リーグ新人の打率3割なら86年の清原以来だ。3試合ぶりの安打に渡部聖は「いつかは当たる壁。3本出たので凄い収穫」と復調の手応え。獅子の若武者がレジェンド以来の勲章に挑戦する。(神田 佑) ≪清原和博氏 西武主催試合で解説「改めて良い球場だな、と感じた」≫西武OBの清原和博氏(57)が西武主催試合で解説を務めるのは、16年2月に覚醒剤取締法違反で逮捕されて以来初。スーツの胸ポケットにはカーネーションを飾り「行って負けたらどうしようと緊張して眠れなかった。外野の雰囲気も変わったりして改めて良い球場だな、と感じた」と話した。14年に清原氏と離婚したモデルの亜希もSNSで「天国の清原母は泣いて喜んでいると思います」とつづった。

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