中国で収監中の豪作家、刑務所で「耐え難い」苦しみ 支持者に書簡

【AFP=時事】中国でスパイ罪に問われ、執行猶予付きの死刑判決を受けて収監されているオーストラリア国籍の作家で学者のヤン・ジュン(楊軍、筆名はヤン・ヘンジュン〈楊恒均〉)氏が支持者への書簡で、刑務所内での「耐え難い」苦しみを詳述し、今も帰国する夢を諦めていないと語っていることが明らかになった。1月10日付の書簡が、今週メディアに公開された。 民主化を支持する元ブロガーでスパイ小説も執筆していたヤン氏は、2019年1月に中国に戻った際、スパイ容疑で逮捕・収監され、北京で2021年に非公開で裁判を受けた。自身は容疑を強く否定している。 昨年、執行猶予付きの死刑判決を言い渡されたが、素行良好と認められれば終身刑に減刑される可能性がある。 ヤン氏は書簡で、自身の釈放を求め続けるすべての人々に謝意を表明。 「皆さんからの気遣いと励ましは、言い尽くせないほどの耐え難い苦しみを耐える力になっている」とつづっている。 ヤン氏は以前、秘密の収容所で拷問を受けたとし、強制的な自白が証拠として不当に利用されるかもしれないとする懸念を支持者に伝えていた。 オーストラリアに住む家族は昨年、ヤン氏の腎臓に嚢胞(のうほう)ができているのが判明したことを受け、健康状態に深刻な懸念を表明していた。 ヤン氏は、オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相に宛てた書簡では、「涙で視界がぼやける」「首相とオーストラリア政府が私を帰国させ、治療を受けさせて、家族に再会できるよう最善を尽くしているのは承知している」と呼び掛けている。 ペニー・ウォン外相は、ヤン氏の釈放を繰り返し中国に求めている。 一方の中国当局はこうした試みに反発。オーストラリアに対して、自国の司法制度に干渉しないよう抗議している。【翻訳編集】 AFPBB News

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