バンコク(CNN) タイの警察は15日、野生生物密輸の疑いで男1人を逮捕したと発表した。男は首都バンコクのガソリンスタンドで、2頭のオランウータンの赤ちゃんをかごに入れているのを発見された。 47歳のこの容疑者は14日、2頭のオランウータンを客に引き渡そうとしていたところを逮捕された。タイ警察が15日の声明で明らかにした。 警察によると、オランウータンはプラスチックのかごに入れられていた。1頭は約1歳、もう1頭は生後1カ月だという。 当局が公開した画像には、プラスチックのかごに入れられたオランウータンの1頭がおむつを着用し、哺乳瓶と一緒に柔らかいおもちゃを抱いている姿が写っていた。 警察によると、容疑者は「保護されている野生生物の違法所持」で逮捕された。タイの法律により、最高で禁錮4年の刑に処される可能性があるという。 捜査員らはオランウータンの赤ちゃんの出所を特定するために動いている。中央捜査局の警察官が16日、CNNに語った。 この警察官によると、容疑者は自分がオランウータンの赤ちゃんを運んでいたことは認めたが、その赤ちゃんがどこから来たのかは明言しなかったという。 警察は、違法な野生生物取引ネットワークの存在を把握したと説明。現在これらのオランウータンがタイで飼育されていたのか、それとも外国で飼育されていたのかを調べていると付け加えた。 オランウータンが生息するスマトラ島とボルネオ島は、世界で最も多様な部類の熱帯雨林を持つ東南アジアの島だが、森林伐採や生息地の破壊、密猟の結果、これらの種は絶滅の危機に直面している。 絶滅リスクを評価する国際自然保護連合(IUCN)の絶滅危惧種レッドリストでは、オランウータンは「危機的絶滅危惧種」に指定されている。 今回発見された2頭は、それぞれクリストファー、ステファンと名付けられ、野生生物の保護に携わる部局が面倒を見ている。複数の機関がCNNに明らかにした。