警察官の目前で振り込み詐欺 うそ見破れず 容疑で72歳女を逮捕

高齢女性から現金1200万円をだまし取ったとして、福岡県警は16日、住所不定の無職女(72)を詐欺容疑で逮捕したと発表した。現金は、うそを見破れなかった警察官らの目の前で犯人側に振り込まれたといい、県警は「教訓にしなければならない」としている。 組織犯罪捜査課によると、逮捕容疑は4月22~25日ごろ、何者かと共謀し福岡市東区の女性(85)に「あなた名義の携帯が作られ詐欺に使われている」などと電話し、無実を証明する名目で現金1200万円をだまし取った、というもの。女は振込先の口座名義人で、女性が25日に金融機関で振り込む際に同伴していた。 同日は金融機関の職員から通報を受けた警察官4人が臨場したが、女性が女を「14歳で生んだ娘」などと説明。犯人側の指示に基づくうそだったが、女が自身のマイナンバーカードを示したことなどから、その際は見破れず、振り込みがなされたという。 その後、別の特殊詐欺事件でも女と同名義の口座が使われていることがわかったことなどから、県警が全国に指名手配。同市内のホテルで12日逮捕した。 女は、自身も今年3月に計5千万円相当の特殊詐欺被害に遭い、その際に今回の共犯者と接点を持ったと説明。加担した理由について「指示役と毎日話し、優しくされ好意を示すようになった」と供述しているという。(杉江隼)

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