東京の表参道の宝石店で10年前に約1億円の貴金属が奪われた事件で、国際手配されていたイギリス国籍の男2人について、イギリスの裁判所は日本への引き渡しが妥当だとし、最終判断を内相に委ねました。 この事件は2015年11月、渋谷区の「表参道ヒルズ」に入る宝石店「ハリー・ウィンストン」でダイヤの指輪など約1億の貴金属が奪われたものです。 警視庁はイギリス国籍の男3人について強盗傷害などの疑いで逮捕状を取り国際手配していて、その後、3人が別の事件で拘束されたため日本政府が引き渡しを求めていました。 このうち、ケイン・ライト容疑者など2人について、一審では人権侵害を理由に引き渡しを認めないとする判決が言い渡されましたが、再審理で裁判所は日本側の証拠は十分であり、人権侵害の懸念も払拭されたと判断。 その上で身柄引き渡しは妥当だとし、最終判断を内相に委ねました。 一方、2人の弁護士は不服を申し立てる方針ですが、すべての控訴が退けられた場合は、欧州人権裁判所に訴える可能性があるということです。 日本とイギリスは犯罪人引渡条約を締結しておらず、実現すればイギリスからの引き渡しは初めてとなります。