ドラッグストアで化粧品などを盗んだとして、警視庁や岐阜県警などの合同捜査本部は20日までにベトナム国籍の男女について、窃盗の疑いで逮捕状を取ったことが捜査関係者への取材でわかった。ドラッグストアでの窃盗事件は全国で相次いでおり、この男女がベトナムからSNSで日本での万引きを指示していたという。2人は現在もベトナム在住といい、警視庁は引き続き捜査する。 また合同捜査本部は19日、日本国内で実行役が盗んだとされる化粧品などの管理役だったとして、ベトナム人の30代の男女を組織犯罪処罰法違反(犯罪収益の収受)の容疑で逮捕した。このグループでこれまでに逮捕したのは12人になるという。 ■10都県で1600万円以上の被害か 盗まれた化粧品は空路でベトナムの指示役の関係先に送られ、同国内で転売されていたと警視庁はみている。このグループによるドラッグストアでの窃盗事件は1都9県で計約150件、被害額は1600万円以上の疑いがあるという。 捜査関係者によると、逮捕状が出たのは、グエン・バ・タイン(31)とグエン・トゥ・フェン(29)の両容疑者。昨年9月、日本にいるベトナム人と共謀し、長野市内のドラッグストア3店舗から化粧品など計33点(計約19万円相当)を盗んだ疑いがある。 両容疑者は、昨春ごろから、SNSで万引きの実行役を募集。化粧品やサプリメントなど盗んでほしい品目を伝え、窃盗を指示していたという。実行役が盗んだとみられる商品を写真などで「査定」し、報酬を振り込んでいたとされる。