イリノイ州(WBBM) 米イリノイ州西部に住む少女(当時11)が失踪した30年近く前の事件。地元大陪審はこのほど、ジェイソン・フィッシャー被告(50)を殺人罪などで起訴した。 失踪したトルーディ・アップルビーさんは1996年8月21日、同州モリーンにある自宅近くで最後に姿が目撃されていた。 地元警察トップによると、アップルビーさんが身元不明の男とグレーの車に乗り込むのを見たとの目撃証言がある。この日、アップルビーさんは友人と一緒に泳ぎに行きたいとせがんだものの、父親が反対。通話記録によれば、アップルビーさんは反対を押し切って出かけ、その後行方が分からなくなった。 地元検察によると、ヘンリー郡の大陪審は13日、フィッシャー被告を第1級殺人罪と殺人を隠匿した罪で起訴した。 フィッシャー被告はトルーディさんを拉致して絞殺し、その死を隠匿した罪に問われている。遺体はいまだ発見されていない。警察と検察によれば、拉致に関しては時効が成立しているため、罪に問われないという。 警察によると、フィッシャー被告は起訴後に身柄を拘束された時、すでに別の容疑によりアイオワ州で勾留されていた。イリノイ州での裁判所手続きが始まるまで、引き続きアイオワ州の拘置所に収容される見通しだ。 地元警察トップは「今日は祝いの日ではない。区切りの日であり、説明責任を果たす日であり、そして何よりトルーディ・アップルビーさんのための日だ。今回の逮捕で痛みが消えるわけではないが、事件の終結に一歩近づく。彼女の遺族や、この旅路を共に歩んできたすべての人に、幾ばくかの安らぎをもたらすことを願っている」と語った。 フィッシャー被告が逮捕されたとの知らせを受け、トルーディさんの遺族は複雑な思いを抱いていたという。 「これでトルーディさんが戻ってくるわけではないが、安堵(あんど)感はあった。遺族がそう感じるのは当然だ」(地元警察トップ)