ミャンマーを舞台にした国際的な詐欺事件をめぐり、愛知県警は24日、2月に現地から帰国した高校生の少年(16)=名古屋市瑞穂区=について、詐欺の疑いで逮捕したと発表した。ミャンマーで特殊詐欺の「かけ子」をした疑いがあり、県警は帰国した少年から任意で事情聴取していたが、今月19日から所在がわからなくなっていた。県警が23日に埼玉県で発見し、同日逮捕したという。 県警によると、逮捕容疑は、1月、米国滞在中だった三重県鈴鹿市の男性(46)の携帯電話に「マネーロンダリングで逮捕状が出ている。潔白を証明するために金が必要」などと警察官などをかたり、仲間と共謀してミャンマーからうその電話をかけて、現金990万円を振り込ませ、詐取した疑いがある。 捜査関係者によると、少年は昨年11月上旬、「海外に特技をいかせる仕事がある」とインターネットで知り合った相手から勧誘され、指示役が用意した航空券で同12月に中部空港(愛知県常滑市)から飛行機でタイに渡航。バンコクからは車やボートでミャンマー東部の拠点に移動し、現地で警察官などをかたる特殊詐欺のかけ子に従事していたとみられている。 少年は今年2月、助けを求めて家族に連絡し、タイ当局に保護され帰国。県警は少年を任意で聴取し、ミャンマーの詐欺拠点の実態の解明を進めていた。県警は4月、少年の供述などを踏まえ、同じ拠点でかけ子をしていたとみられる男2人を日本に移送し、詐欺容疑で逮捕し、5月に同容疑で再逮捕した。(高橋俊成)