サッカー日本代表に復帰したMF佐野海舟(24=マインツ)が28日、千葉市内で取材に応じ、昨夏の逮捕後と代表再招集後、初めて会見した。 冒頭「自分の行動によって、たくさんの方々にご迷惑をお掛けしてしまい、申し訳ございませんでした。これからも行動、言動、出せるものを出し続けていきたいと思いますし、プレー以外にも社会に貢献していきたいと思います」と謝罪。初の肉声に至った経緯については「自分の口から伝えないといけないと思い、この会見をしようと思いました。本当に毎日、自分にできることを考えながらサッカーに取り組みましたし、これからも続けていきたい。(代表は)全員が目指している場所、ここに立てていることに感謝し、誰よりも責任感を持ってやりたいと思います」とスーツ姿で神妙に語った。 招集に関しては「自分に対する賛否はもちろんあるとは思っていますし、でも、自分にできることを考えて、僕は日本サッカーのために戦うしかないと思っているので、それをやり続けて、プレイで、行動で示していきたいなと思っています」とした。 26年ワールドカップ(W杯)北中米大会アジア最終予選オーストラリア戦(6月5日、パース)インドネシア戦(10日、パナスタ)に臨む日本代表に約1年2カ月ぶりに復帰した佐野海は、鹿島アントラーズからマインツに移籍が発表された直後の昨年7月、不同意性交容疑で逮捕された。同7月29日に釈放され、同8月8日には不起訴処分となっていた。今季マインツでは開幕戦から先発出場。今季のブンデスリーガ全34試合に先発していた。 23日のメンバー発表会見で、山本昌邦ダイレクターは召集に踏み切った経緯について「1つ目は相手の方に対して話し合いをしたことを確認している。2つ目は本人が深く反省していること、3つ目は不起訴処分という判断が検察よりなされており、刑事事件としては罪に問われず終了していることを考慮した」と説明した。 また、森保一監督も本人が深く反省し、社会貢献活動に従事していること考慮し、「チームの一員を家族と考えた時に、指導者として選手と向き合う中、1人の人間としてミスを犯した選手をそのまま社会から放任するのか、サッカー界から葬り去るのかということに関しては、再チャレンジする道を家族として与えることの方がいいのではないか」と話していた。 その森保監督には「反省の気持ちを伝えましたし、サッカー面の話が多くなりましたけど、本当に期待していただいて、頑張りたいなと思います。(家族について)森保監督にどうこう言える立場にはないですが、誰よりも試合に出たら走らないといけないなと思います」と思いを語った。 佐野海は昨年3月のW杯アジア2次予選北朝鮮戦のメンバーに招集されたが、けがのため不参加。同年1~2月のアジア杯カタール大会以来の活動となる。 また、今回の代表メンバーには実弟の佐野航大(21=NECナイメヘン)も初選出されている。