沖縄県内で米兵による女性暴行事件が相次いだことを受け、米軍や県警、沖縄市などは31日未明、米軍嘉手納基地に近い沖縄市のゲート通りなどの繁華街で合同パトロールを実施した。パトロールは4月に続き2回目。 米軍の憲兵(MP)や沖縄署の警察官、沖縄市役所の職員ら約50人が参加。午前0時から約2時間、巡視した。日米地位協定に関する取り決めでは、米軍関係者による犯罪現場に日米双方の捜査当局が居合わせた場合、原則として米側が身柄を拘束することになっている。今回は、身柄拘束を伴う事案はなかった。 米兵の基地外での行動を規制する指針「リバティー制度」は午前1〜5時の基地外での飲酒や酒を提供する施設への立ち入りを禁じている。パトロールでは午前1時以降、MPが路上で酒を持っている米軍関係者ら声をかけ、軍のIDカードをチェックしたり、酒を捨てさせたりした。MPらが米軍基地内に出入りできるタクシーや運転代行情報のQRコードが掲載されたカードを飲食店に配布する場面もあった。4月のパトロールに比べ、路上で飲酒している米軍関係者は少なかった。 県内では米兵による飲酒絡みの事件事故が相次いでいる。25日には米軍キャンプ・ハンセン所属の男(20)が那覇市の国道58号で乗用車と衝突し4人にけがをさせ立ち去ったとしてひき逃げ疑いで逮捕され、その後酒気帯び運転容疑が加わり送検された。26日にはゲート通り周辺で飲酒運転したとしてキャンプ・シュワブ所属の男(23)が逮捕された。 31日未明、ゲート通りの路上で炭酸飲料を飲んでいたハンセン所属の男性米兵(21)は「米軍みんながみんな事件や事故を起こすわけではない。一部で良くないことをする人がいるだけだ」と語った。(社会部・豊島鉄博)