5月31日夕方、佐賀市の児童福祉施設で55歳の女性職員が包丁で切りつけられて死亡し、28歳の女が現行犯逮捕されました。 児童福祉施設には女の娘が保護されていて女は、事件当日に誕生日を迎えた娘と面会するために施設を訪れていたということです。 女の逮捕を受け、夫は「もう少し妻をうまくサポートできた部分があったと思うし、被害者にも申し訳なく思う」と涙ながらに語りました。 事件が発生したのは5月31日午後5時40分ごろです。 佐賀市金立町にある児童福祉施設の職員が「刃物を持った女が暴れている」と110番通報。 その通報の前後に職員の川原千恵さん(55)が両腕などを包丁で切りつけられ、病院に運ばれたもののその後、死亡しました。 死亡の原因は、出血性ショックでした。 亡くなった川原さんの自宅の近くに住む女性は、「子供たちにもよく声をかけてくれる気さくで優しい人だったので、とてもショックです」などと話しています。 ■◇逮捕されたのは28歳の女 保護されている娘と面会するため施設に 事件現場となった児童福祉施設では、職員たちが女を取り押さえ、通報の約10分後に駆け付けた警察官が女を殺人未遂の疑いで現行犯逮捕しました。 逮捕されたのは佐賀県武雄市に住む会社員・平田ミル容疑者(28)で取り調べに対し、「記憶に無いから分からない」などと供述しているということです。 事件当日、平田容疑者は保護されている娘に会うために児童保護施設を訪問。 対応していた川原さんに対し、突然、怒り出し包丁で切りかかったとみられています。 包丁の刃渡りは13センチで、持っていたバッグに入れていたとみられるということです。 ■◇娘は平田容疑者の暴言により保護 保護翌日には児童相談所で平田容疑者が暴れる 警察や平田容疑者の夫によりますと平田容疑者は夫と娘の3人で暮らしていて、パニック障害・躁うつ病のため病院で受診していました。 5月12日、娘に対し暴言を吐いたなどとして児童相談所が娘を一時保護。 翌日の13日に平田容疑者が児童相談所を訪れ、「子供を返して」「返さなければ私が死ぬ」などと言って、消毒液を飲んだり職員のネームプレートのひもを取って自分の首を絞めたりして暴れたため、警察が平田容疑者を保護していました。