警察官を名乗るオレオレ詐欺被害が全国的に急増していることを受け、警察庁と47都道府県警察が連動して2日午後から、それぞれの公式SNS(交流サイト)で統一の広報チラシを集中的に投稿し、国民に注意を呼び掛けている。長野県警は公式のX(旧ツイッター)に「ニセ警察詐欺に注意」と題した投稿などをして抑止に努めている。8日午後まで。 警察官を名乗る詐欺は、電話でお金詐欺(特殊詐欺)の中のオレオレ詐欺に分類される。県警の統計資料によると、県内では今年、警察官を名乗る詐欺(官公庁などをかたる人から警察官を名乗る人につながった詐欺も含む)は1月に4件、2月に7件、3月に16件、4月に34件と増加。今年に入ってから4月末までの被害額は、電話でお金詐欺被害全体の約5割、約2億3263万円に上っている。 電話の自動音声ガイダンスやショートメッセージでSNSに誘導、警察をかたり捜査名目で金銭をだまし取る「ニセ警察詐欺」が多発している。諏訪郡内の70代女性は、警察官をかたる人などから3月中旬から4月中旬にかけて4944万円をだまし取られ、最多の被害額となっている。 全国の警察組織が特殊詐欺抑止に向けて連動した集中的な広報に取り組むのは初めて。長野県警はXでの投稿のほかに、県警公式防犯アプリ「ライポリス」や公式ホームページでも注意を促している。生活安全企画課は「警察官は、ビデオ通話や金銭の要求、SNSで逮捕状を見せるといったことはしない」とし、防犯意識の向上を呼び掛けている。