新1万円札に両替するとうそをつき、顧客から現金をだまし取ったとして、埼玉県警深谷署は4日、同県熊谷市拾六間の無職、大木章弘容疑者(25)を詐欺容疑で逮捕した。大木容疑者は事件当時、群馬銀行の同県深谷市内の支店で渉外係として勤務していた。深谷出身の名士・渋沢栄一が肖像となった新紙幣発行にかこつけて顧客に両替を持ちかけ、現金をだまし取る手口を繰り返していたとみられる。 逮捕容疑は、2024年9月、顧客だった60代の男性経営者の事務所を訪れて「新紙幣への両替のノルマがある」「いくらくらいなら協力してもらえるか」などと話し、現金50万円をだまし取ったとしている。容疑を認め、「ギャンブルに使うお金がほしかった」などと話しているという。 同署などによると、9月上旬に大木容疑者の顧客から同支店に「約束の時間に両替金が届けられていない」などと電話があり、着服が発覚。その後、群馬銀行が同署に相談していた。大木容疑者は、新紙幣への両替業務は担当していなかったという。 県警は、大木容疑者が同様の手口で個人と法人、合わせて16の顧客から5535万円を受け取り、着服していたとみている。【田原拓郎】