海兵隊700人がLA到着、州知事「介入不要」と反発 トランプ氏は反乱法の発動に含み

トランプ大統領の命令を受け、約700人の米海兵隊員が10日、米カリフォルニア州ロサンゼルスに到着した。移民・税関捜査局(ICE)による移民取り締まりに対する抗議活動に対処するためとみられる。 軍当局者によると、海兵隊には逮捕権限がなく、連邦政府の人員と財産を保護することを任務とする。 トランプ大統領はまた、抗議活動鎮圧に向けて州兵4000人を動員した。10日時点でロサンゼルス大都市圏には約2100人の州兵が配置されており、さらに増員される予定だという。 トランプ政権が一連の移民強制捜査を開始して以来、市内では数日間にわたり抗議活動が続いている。州当局は、トランプ大統領の対応はおおむね平和的なデモに対する過剰な反応だと反発している。 ロサンゼルスのカレン・バス市長は平和的な抗議活動を行う大多数のデモ参加者と、暴徒化し略奪行為などを行ったとされる少数の扇動者を区別すべきとし、後者は法の最大限の範囲で訴追されると述べた。また、この日にトランプ大統領に電話する考えを示し、「ここは移民の街だと伝え、取り締まりをやめるよう求めたい」と述べた。 トランプ大統領は抗議活動を暴力的な占拠と表現して軍派遣の決定を正当化したが、カリフォルニア州のニューサム知事(民主党)とバス氏は、この表現は非常に誇張されていると指摘している。 一方、トランプ大統領は大統領執務室で記者団に対し、州兵の派遣がなければロサンゼルスは「今ごろ燃えているだろう」と述べ、危険がなくなるまで州兵は駐留し続けると語った。こうした軍隊派遣にかかる費用は推計約1億3400万ドルに上るとみられる。

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