京都市のマンションで令和5年12月、住人の高齢男性が刺殺された事件で、殺人と銃刀法違反の罪に問われた元陸上自衛官の水島千翔(ゆきと)被告(22)=懲戒免職=の裁判員裁判の初公判が11日、京都地裁(大寄淳裁判長)であり、被告は「間違いない」と述べ、起訴内容を認めた。 起訴状によると、5年12月3日午後7時55ごろ、京都市東山区のマンションの階段踊り場付近で、住人の男性=当時(82)=の腕を引っ張るなどして転倒させて背中を複数回踏み付け、刃渡り約17センチの包丁で複数回突き刺し失血死させたなどとしている。 京都府警によると、防犯カメラなどから水島被告の関与が浮上。事件から1週間後、東京都内の宿泊施設から出てきた被告を捜査員が発見し、確保した。逮捕当時、被告は被害男性と面識はなく、「(相手は)誰でもよかった」と説明。「逮捕されていなければ、また人を殺すつもりだった」との趣旨の供述をしていた。 陸自中部方面総監部などによると、被告は令和3年4月に入隊、4年6月から祝園(ほうその)分屯地(京都府精華町)に勤務していた。 京都地検は昨年4月、約3カ月半の鑑定留置の結果を踏まえ、被告の刑事責任能力を問えると判断し、殺人と銃刀法違反の罪で起訴した。 陸自は昨年5月、被告を懲戒免職とした。