化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の社長らの起訴が取り消された冤罪(えんざい)事件で、警視庁と東京地検が11日、捜査を違法とした東京高裁判決について上告断念することを表明した。 これを受けた大川原化工機側の記者会見で、勾留中にがんが見つかって満足な治療を受けられずに亡くなった大川原化工機元顧問の相嶋静夫さん(享年72)の長男(51)は「時間がたっても怒りは消えない。できることなら、時計を戻してもらいたい」と語った。 長男の怒りは、会見に出席していたメディアにも向いた。 「メディアの皆さんには申し訳ないが、一言申し上げます。警察の情報を丸のみにして報道する姿勢、(逮捕時の)2020年3月にやったことを皆さん自身でも検証してください。一部のメディアは警視庁の見解を訴訟の間も垂れ流していた。検証の対象はメディアの皆さんも含まれている」【遠藤浩二】