「大川原化工機」の冤罪事件をめぐり、警視庁と東京地検が上告を断念し、捜査の違法性を認めた判決が確定したことを受け、警察庁長官は「警察に対する国民の信頼を損ねたことは極めて遺憾で、警察庁としても重く受け止めている」と述べました。 楠芳伸長官: 原告の方々をはじめとする当事者の方に多大なるご心労、ご負担をおかけし、警察に対する国民の信頼を損ねたことは極めて遺憾で、警察庁としても重く受け止めている。 機械メーカー「大川原化工機」の社長らが逮捕・起訴された冤罪事件をめぐっては、東京高裁が先月、警視庁公安部と東京地検の捜査について違法性を認め、都と国に合わせておよそ1億6600万円の賠償を命じました。 この高裁判決について、警視庁と東京地検は上告を断念し、捜査の違法性を認めた判決が確定しました。 楠警察庁長官はけさの国家公安委員会後の会見で、「警察の活動は国民の信頼のうえに成り立っており、警察庁としては今後、警察の公安部門の捜査において二度とこのようなことがないようにする必要がある」と述べ、警視庁における検証を踏まえ、警察庁として捜査上の留意点や再発防止策をとりまとめ、指導強化を徹底していくと話しました。 警察庁はきのう、全都道府県警察に対し通達を発出し、公安事件について「緻密かつ適正に捜査が行われなければならないことは当然である」とし、部下職員に対し、改めて適切な捜査活動の必要性を認識させるよう指示しています。