厚生労働省の委託事業を巡り、水増しした請求書を作成するなどして費用をだまし取ったとして、警視庁捜査2課は、詐欺の疑いで、コンサルティング会社「ランゲート」（京都市）元代表の大中忠生容疑者（63）＝京都府向日市＝と、元社員の西村崇容疑者（54）＝滋賀県草津市＝を逮捕した。大中容疑者は容疑を否認、西村容疑者は容疑を認めている。 逮捕容疑は令和4年4月上旬、3年度に厚労省から受託した「就業環境整備・改善支援事業」の費用を水増しして、虚偽の報告書を提出。事前に支払われていた委託費3億6300万円のうち、返金すべきだった約4160万円をだまし取ったとしている。 捜査2課によると、受託した事業は、労務管理や安全衛生管理などに関するセミナー、訪問支援などに関する内容だった。事業の委託費をあらかじめ受け取り、必要経費などを差し引き清算。余剰分は厚労省に返還し、超過分は事業者が負担する仕組みだった。 同社は、元～5年、厚労省や地方の労働局の関連事業192件を受託。主な収入源になっていたとみられる。 厚労省が刑事告発しており、警視庁が関連を調べている。