【ニューヨーク=本間英士】米西部カリフォルニア州で続くトランプ政権の移民政策への抗議デモが米国各地に飛び火している。南部テキサス州のアボット知事(共和党)は12日、抗議デモに対応するため州兵約5千人の配備を発表した。CNNテレビによると、デモはこれまでに計16州に拡大。トランプ政権に対する反発の声が一段と強まっている。 AP通信によると、西部ネバダ州ラスベガスで11日に行われた抗議デモでは94人が逮捕され、警察官4人が負傷。西部ワシントン州シアトルやスポケーンでもデモ参加者と警察が衝突した。テキサス州サンアントニオでも、数百人が抗議のための行進を実施した。 アボット知事は12日、X(旧ツイッター)で、「ロサンゼルスで見られたような無法行為は容認しない。器物損壊や傷害事件を起こした人物は逮捕する」と強調。デモ参加者の一部が暴徒化している点を念頭に置いた上で、「テキサスに手を出すな」と牽制した。 知事が厳しい姿勢で臨むのは、14日に同州を含めた全米各地でトランプ氏に対する抗議デモ「ノー・キングス(王は不要)」が開催されるためだ。デモは東部ニューヨークや中西部シカゴに加え、トランプ氏の私邸がある南部フロリダ州パームビーチ周辺といった〝お膝元〟でも予定されている。 一方、ロサンゼルスでは11日も中心部の一部区域で夜間外出禁止令が継続された。市警察は退去命令違反などで70人超を逮捕したと発表した。 トランプ大統領は12日、交流サイト(SNS)で、「不法滞在者は自主的にこの国を去るか、移民・税関捜査局(ICE)に発見されて強制送還されるかのいずれかだ。米国を守ることは譲れない!」と改めて主張した。