『キャスター』残された“謎”と続編の可能性 timelesz 寺西拓人がカギを握る襲撃犯とは?

6月15日に最終話を迎えた2025年4月期のTBS日曜劇場『キャスター』で、続編への期待が高まっている。最終話で登場した寺西拓人(timelesz)演じる謎の男や、未解決の進藤壮一(阿部寛)の元妻・恭子(相築あきこ)の襲撃事件の実行犯につながる台詞がその根拠だ。ほかにも、未回収の明らかになっていない伏線や登場人物が残されている。本記事では、それらを振り返りながら『キャスター』続編の可能性を探ってみたい。 腐りきったニュースをぶっ壊す。報道番組の制作現場を舞台にした『キャスター』は、伝統と革新がせめぎあう破壊的イノベーションを体現していた。43年前に起きた自衛隊輸送機の墜落事故と、主人公であるニュースキャスター進藤の父・松原哲(山口馬木也)の死をめぐってストーリーは進行する。目的のために手段を選ばない虚々実々の駆け引きと文字通り命がけの取材によって、進藤は最終話でJBN会長の国定(高橋英樹)と対決するが、そこで目にしたのはこの国が抱える巨大な深淵だった。 進藤は何のために真実を追求するのか? 進藤壮一という人間のモチベーションが43年前の事件にあることは確かである。その姿は、第7話で恭子が語るように「過去にとらわれている」が、一方で過去は現在につながっていて、過去を掘り起こすことで現在を照らす取り組みといえるだろう。羽生官房長官(北大路欣也)の死の背後に、放射性プルトニウムを扱う景山重工がいて、事件が闇に葬られた背景に核持ち込みという日米の密約があった。 しかし、景山(石橋蓮司)が逮捕されたことは一連の事件の幕引きを意味しない。というのも、『キャスター』で取り上げたいくつかの事件、その背後に共通の犯罪組織が存在していることがわかったからだ。景山の実行部隊である闇組織「トゥゲザースペース」は一斉検挙されたが、そこには山井(音尾琢真)を殺した実行犯と山井の父・和雄(山本學)を突き落とした人物が含まれていた。この他に、賭博(第2話)や盗撮(第4話)、臓器ビジネス(第7話、第8話)にも関わっていた。 ただ、恭子の襲撃事件の犯人を示す証拠は出ていない。『週刊世潮』記者の南(加治将樹)によると、組織のボスが逃走したためだ。ボスの正体を突き止めようとする進藤は、父の死の謎と恭子の襲撃犯を探る中で、各話の事件について手がかりを得たと思われる。43年前の出来事を追ううちに進藤自身が狙われ、恭子が標的になったとも考えられる。華(永野芽郁)の姉の臓器移植も、犯罪組織を取材する過程でつかんだネタと考えるとしっくりくる。 かんじんの組織のボスだが、足が悪いこと以外に情報はない。ただし、数々の犯罪に組織的に関与し、これまで逃げおおせていることを考えると、知力や財力、社会的影響を備えた人物であることが想像できる。ヒントは謎の男が示している。恭子とすみれ(堀越麗禾)をターゲットとして報告した通話の相手は誰なのか? 相手がボスなら、犯罪組織は壊滅せずに形を変えて存続していると思われる。

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