「革命の道を歩み続ける」 指名手配された「ミャンマーのレディー・ガガ」が来日公演で語ったこと

2025年5月、ミャンマーの国民的歌手ピューピューチョーテインが来日し、チャリティコンサートを開催した。軍事政権に指名手配されて亡命を余儀なくされた彼女は、なぜいまも軍政に抵抗し、平和を訴え続けるのか。歌で強権的な政府と戦うアーティストの活動の軌跡と、彼女を支える在日ミャンマー人の思いを取材した。 IT企業で働く在日ミャンマー人の女性(仮名30代)は、2021年2月に軍事クーデターが起きてから、それまで好きだった祖国の歌手の曲を聞くことができなくなった。 彼らが軍事政権の圧政に対し、沈黙しているからだ。 クーデターが起きた当初は、大勢のアーティストが抵抗の意志を示した。だが軍が著名人を逮捕・拘束の標的にしはじめると、大半が抗議運動から離脱していったと女性は言う。 「軍政を批判しないアーティストには失望しました。気分が落ち込んでしまうので、彼らの歌を聞くことができないんです」 そんな女性の心の支えになっているのが、医学部出身という異色の経歴を持つミャンマーの国民的歌手ピューピューチョーテイン(44)だ。その力強い歌声と華やかで個性的な衣装、政治や社会問題への意識の高さから、「ミャンマーのレディー・ガガ」とも呼ばれている。 欧州で亡命生活を送るいまも反軍政をテーマにした曲を発表しており、2024年11月には英ロンドン公演を皮切りにワールドツアーを開始。オーストラリア、韓国をめぐった後、2025年5月25日に東京調布市の京王アリーナで来日公演をおこなった。

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