TOEICなりすまし不正、組織的に継続か 警視庁が中国籍の受験者13人を事情聴取

別人になりすまし、英語検定試験「TOEIC」の試験会場に侵入したとして、5月に中国籍の男が逮捕された事件に絡み、6月に行われた2試験でも同一住所での複数の受験申し込みがあり、警視庁が試験会場に来た中国籍の受験者計13人に事情聴取を行ったことが30日、同庁への取材でわかった。いずれも大学院進学や就職のために高得点が必要だった旨を話しており、組織的な不正受験の疑いがあるとみて調べている。 国際犯罪対策課によると、6月7日に練馬区で行われた試験では、77人が同一の都内の住所で申し込みをしており、試験会場に来た中国籍の男女10人に事情聴取。うち3人はカメラやイヤホンなどを所持していた。いずれも大学院進学や就職のためだったとし、中国国内の交流サイト(SNS)「小紅書」でTOEICの不正受験を検索した上で、「『WeChat Pay』で5万円を支払い、申し込みをしてもらった」などと話す受験者もいたという。 同月22日に港区で行われた試験では、千代田区の同一住所での申し込みが18人あり、そのうち受験に来た3人から事情聴取を行った。 国際犯罪対策課は6月30日、2月に東京都北区の試験会場で受験票を偽造して受験したとして、有印私文書偽造・同行使の疑いで、中国籍で京都大大学院生の王立坤被告(27)=同罪で起訴=を再逮捕。調べに対し、黙秘している。この試験では、王容疑者を含む13人がさいたま市の同一住所で申し込みを行い、受験していた。 王容疑者は会場にいるほかの受験者らに解答を教える役割で、中国系の架空氏名で受験を繰り返していたとみられる。ただ、王容疑者が5月に逮捕された後も、不正が疑われる同一住所での申し込みが相次いでいることから、同課は組織的な背景を捜査。全容解明を進めている。

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