2022年に米アイダホ大学の学生4人を殺害したとされるブライアン・コーバーガーが、死刑を回避する司法取引に応じたとABCニュースが報じた。 同メディアによると、被害者遺族にはこの司法取引に関する書簡が送られており、内容には、コーバーガーが終身刑4回分を連続して言い渡され、控訴権をすべて放棄することが記されていた。 検察側は書簡の中で次のように述べている。 「この合意は、皆様のご家族のために正義を追求するための、私たちの真摯な試みです。この合意により、被告は有罪判決を受け、生涯を刑務所で過ごすこととなり、皆様や他の遺族の方々が何十年にもわたる有罪後の控訴という不確実性にさらされることもなくなります。皆様のご意見は、私たちの判断に大きく影響しました。この合意が正義の最善の実現であると、皆様にもご理解いただけることを願っています」 殺害されたのは、ケイリー・ゴンカルヴェスさん(21歳)、マディソン・モーゲンさん(21歳)、ザナ・カーノドルさん(20歳)、イーサン・チャピンさん(20歳)の4名。2022年11月13日、大学のキャンパス外にあるアパートで刺殺された。 当時、ワシントン州立大学の大学院生だったコーバーガーは、2022年12月に事件の唯一の容疑者として逮捕された。ナイフの鞘に残されたDNAにより犯行との関連が浮上し、2023年5月に大陪審によって殺人容疑で起訴された。 起訴時には、コーバーガーは自ら有罪・無罪のいずれも主張せず「黙秘」の姿勢をとったため、裁判官が代理で無罪を主張していた。 2024年4月には、裁判官が「自閉症」の診断があったにもかかわらず、有罪となった場合には死刑の可能性もあると判断していた。司法取引の報道が出る前には、陪審員の選定が8月4日に、冒頭陳述が8月18日に開始される予定だった。