解体工事で出た産業廃棄物を不法投棄したとして、京都府警が京都市伏見区の解体業者と建設業者の社長ら計4人を廃棄物処理法違反の疑いで逮捕したことが捜査関係者への取材で判明した。 解体業者が集めた産廃は正規の処分場ではなく、建設業者が管理する伏見区の土地に運び込まれていたという。府警は処分の発注元から支払われた代金を不法投棄で浮かせ、余った分を業者同士で分け合っていたとみて詳しい経緯を調べる。 捜査関係者によると、逮捕されたのは伏見区でそれぞれ解体業と建設業を営む男性社長2人と、両社の男性従業員2人。 4人は共謀して2025年2月、解体工事で出たコンクリートや土砂などの産廃を伏見区を流れる宇治川近くにある建設業者の土地に不法投棄した疑いが持たれている。 府警は9日早朝から任意で事情を聴いており、容疑が固まったとして逮捕に踏み切った。両社が少なくとも19年ごろから不法投棄を繰り返していたとみている。 解体業者は工事現場から出た産廃について、発注元から正規の処分に必要な費用を受け取っていた。しかし、実際は産廃の一部が建設業者の土地に運びこまれ、浮いた処理費用の一部が建設会社に支払われていたことが捜査で判明したという。 府警が6月に行った家宅捜索で、建設業者の土地の地中から解体業者が搬入したとみられるコンクリート片などが見つかった。埋め立ては建設業者がしていたとみられ、府警は廃棄物処理法違反の無許可処分容疑も視野に捜査を進める。【水谷怜央那】