「ルフィ」G強盗事件 “ナンバー2”小島智信被告に懲役23年求刑 獄中からの側近証言 山田李沙受刑者「誰も逆らえない 逃げたら何をされるか…」“恐怖による支配”

「ルフィ」などと名乗る指示役による連続強盗事件の裁判で、組織の“ナンバー2”とされた男に対し、検察側は懲役23年を求刑しました。男の側近だったという人物を取材すると、「恐怖」によって組織を支配していた様子がみえてきました。 検察官 「国民に大きな不安を与えた前例のない極めて凶悪な犯行。懲役23年を求刑する」 きょう裁判で、検察側の求刑を落ち着いた様子で聞いていた男。 記者(おととし2月) 「前を歩くのは渡辺容疑者です。そして、その後ろに小島容疑者です」 2022年から相次いだ「ルフィ」らを名乗る指示役による連続強盗事件で、逮捕されたグループ幹部4人のうちの1人、小島智信被告(47)です。 グループは「闇バイト」を通じて実行役を集め、特殊詐欺や強盗を繰り返していたとみられ、小島被告は窃盗や詐欺のほか、3つの強盗事件で強盗傷害ほう助の罪などに問われています。 小島被告はこれまでの裁判で、22件の事件の起訴内容について全て認めましたが、組織内の立場については… 弁護側 「あなたは組織のナンバー2なのですか」 小島被告 「組織に入ったのが2番目だったので、そう思われていたのかもしれないですね。僕に裁量があることはないです。自分は経理のおっさんです」 小島被告は幹部であることを否定。弁護側は小島被告の責任は他の幹部よりも軽いと主張しています。 実態はどうなのか?小島被告ら幹部の「側近」だったという人物を取材しました。 連続強盗事件を起こした「ルフィ」グループの幹部とされる小島智信被告とはどんな人物なのか? 山田受刑者 「小島さんは他とは格が違います。みんなから恐れられていた」 刑務所の中で、こう証言したのは山田李沙受刑者。グループ幹部らの「側近」だったといい、「事件の真相を社会に伝えたい」と今回、取材に応じました。 山田受刑者が小島被告を初めて見たのはフィリピンのホテルの一室。海外から特殊詐欺を行うおよそ40人の「かけ子」が並ぶ目の前で、小島被告は机に大きな袋を置いたといいます。 山田受刑者 「袋には満タンの札束が入っていました」 記者 「なぜ、そんな大金を持ってきたのですか?」 山田受刑者 「小島さんは組織の金を管理していたんです」 組織の「金庫番」。これが小島被告の役割だったといいます。カネは特殊詐欺でだまし取ったもので、日本にいる「運搬役」にフィリピンまで届けさせ、空港で回収していたということです。 組織の規模などから管理していたカネは少なくとも数十億円にのぼると言います。 小島被告 「俺はリスクを負って金を管理している。かけ子の給与を管理しているのは俺だ」 山田受刑者にこう話したという小島被告。もともと「かけ子」の1人だったといいますが、カネを管理する能力をかわれ、組織のボス・渡辺優樹被告に次ぐ“ナンバー2”にまでのぼりつめたということです。 記者 「小島被告は組織でどんな存在だったのですか」 山田受刑者 「立場が上だから誰も逆らえない。他とは格が違います。みんなから恐れられていた」 小島被告は組織内で「恐怖による支配」をしていたといいます。 拠点から逃亡者が出た時には… 小島被告 「捜せ、お前ら捜せ」 たたみ掛けるように… 小島被告 「お前ら、逃げたら追いかけて絶対に捕まえるからな」 捕まった人はどうなるのか? 山田受刑者 「『日本へ帰りたい』と言って逃げようとした人が、小島さんが雇ったマフィアらに捕まり、集団リンチを受けたと聞きました」 山田受刑者によると、マフィアは捕まえた人の顔を水槽にはった水に何度も押し入れ、『仕事をやる』と言うまでやめなかったといいます。 山田受刑者 「拠点から逃げられない理由の一つです。逃げたら何をされるかわからない」 きょうの裁判で小島被告は… 小島被告 「僕が関係したこの事件で、被害者を生んだことを後悔し反省しています。本当に申し訳ございませんでした」 と謝罪しました。 判決は今月23日に言い渡されます。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする