兵庫県警は18日、特殊詐欺事件を捜査する30代女性巡査長の公用携帯電話にうその電話をかけて金銭を詐取しようとしたとして、詐欺未遂容疑で住所職業不詳中島由起宣容疑者(39)を現行犯逮捕した。巡査長は高齢女性をだます手口だと気付き、声色を変えてだまされたふりを続け指定場所に現れた容疑者を取り押さえた。 巡査長は県警の特殊詐欺特別捜査隊に所属。同隊によると18日午前、勤務中だった巡査長の携帯に息子を名乗る男から「不倫相手を妊娠させてしまい、示談金300万円を用意してほしい」と電話があった。 巡査長は、捜査で使用する白髪交じりのかつらを装着して高齢女性を装い、男が指定する金銭の受け渡し場所で待機。同日午後に現れた中島容疑者に空の紙袋を手渡した。容疑者が中身がないことに気付いて逃げようとしたため、複数の捜査員で身柄を確保した。 逮捕容疑は氏名不詳者らと共謀して18日、神戸市東灘区の路上で現金をだまし取ろうとした疑い。容疑者は受け子とみられ「何も言いたくありません」と供述している。