住民の個人情報を漏らすよう、町役場の職員をそそのかした疑いで、奈良県の吉野町議会議員がきのう逮捕されました。 これを受けてきょう吉野町は、職員2人が情報漏洩に関与したと発表。中井章太町長は会見で、「個人に関わる情報漏洩はあってはならない」とお詫びしました。 吉野町議会議員の西沢巧平容疑者(72)は、3年前の8月と12月の2回にわたり、吉野町に住む2世帯の家族構成や名前、生年月日などを漏らすよう、町役場の職員をそそのかした疑いがもたれています。 吉野町によりますと、漏洩にかかわったのは60代の参与と、50代の参事の2人で、西沢容疑者から依頼をうけた参与が、個人情報を入手できないことから参事に依頼して入手。その後、参与が容疑者に個人情報を渡したということです。 参事は町の調査に対して、「議員に教えた事実を覚えていなかった、課の業務の中で頻繫に個人情報をアクセスするので覚えていなかった」と話したということです 3人の関係について町は、「同年代で交流があった、議員も長く勤めていて交流があった」とし、対応の問題点として、「地方の議会は議員との距離が近くルールを逸脱してしまう事がある。職員と議員の間で圧力があったのか調査したい。」としています。 職員2人は地方公務員法違反(守秘義務違反)の疑いで警察から任意の取り調べを受けているということで、町はきょう、2人を総務課付けに異動させて、調査を続ける方針です。 西沢容疑者は「太陽光パネル税」を導入する案を、議会に提出しないことなどの見返りに、東京の太陽光発電事業者から現金200万円を受け取った収賄の疑いですでに起訴されています。警察は、知り得た個人情報の使用目的などについて引き続き調べる方針です。