どんな年齢であっても子どもが罪を犯すと、「親の育て方が悪い」とたびたび言われることがある。 ソーシャルワーカーとして、1000人を超える性犯罪者の加害者家族と向き合ってきた、精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳さんは、特にその言葉が向けられる矛先は「母親」に多いという。 性犯罪事件の加害者家族の“生き地獄”と再生に迫った、著書『夫が痴漢で逮捕されました 性犯罪と「加害者家族」』(朝日新書)から、性加害者の母親を追い詰める「子育て自己責任論」が、司法の場にも及んでいることについて一部抜粋・再編集して紹介する。