【08月01日 KOREA WAVE】韓国のスーパーが20万ウォン(1ウォン=約0.11円)相当の商品を会計せずに持ち出してしまった認知症の高齢女性に合意金として2000万ウォンを請求したことが波紋を広げている。 16日に放送された韓国JTBCの報道番組「事件班長」によると、50代の男性は最近、警察から「母親が窃盗容疑で逮捕された」と連絡を受けたという。 母親は5年前に夫を亡くし、ここ1〜2年は認知症の症状が出ていた。事件当日、一人で近所のスーパーへ買い物に出かけ、会計を済ませず商品を持ち帰ってしまったという。 持ち出したのは牛肉や日用品など。母親には現金とクレジットカードを持たせていたのに支払いをしていなかった。後日、男性はスーパーに出向いて謝罪し、「母は病気を患っており、被害はすべて弁償する」と申し出た。母親自身も翌日店を訪れ「記憶がない。申し訳ない」と頭を下げた。 ところが数日後、スーパー側から「被害額は100万ウォンで、合意金として2000万ウォンを考えている」と連絡が来た。男性が計算すると被害額は20万ウォン程度なのに、である。男性は「責任は感じているが、2000万ウォンとはあまりに不当ではないか」と話している。 番組のソン・スホ弁護士は「合意には一定の合理的水準というものがある。店側が提示した内容や対応の経緯を捜査機関に提出すれば十分に考慮されるだろう」と説明した。 心理学者のパク・サンヒ教授も「本人に悪意がなく、認知症の影響で行動したことは明らか。自ら謝罪にも訪れている。合意金2000万ウォンは“機会をチャンスと捉えた”ように見える」と苦言を呈した。 またパク・ジフン弁護士は「明らかに認知症の症状があるなら、そもそも犯罪ではない。20万ウォンの損害を弁償すれば十分で、スーパー側の対応はあまりに冷酷だ」と語った。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News