家宅捜索中に捜査対象者の男性を殴るなどしたとして、大阪府警は3日、いずれも大阪府警捜査4課所属で、警部補の時長力(ちから)容疑者(51)=大阪府豊中市=と巡査部長の阪口裕介容疑者(32)=奈良県桜井市=を特別公務員暴行陵虐容疑で逮捕し、発表した。 時長容疑者は捜索の現場責任者で、「男性の体に触れたことは認めるが、殴打したという認識はない」と容疑を否認。阪口容疑者は「間違いない」と認めているという。 捜索現場には計20人以上の捜査員がおり、府警は他にも関与した者がいないか調べるという。 監察室によると、両容疑者は7月15日午後9時15分ごろ~同35分ごろ、国内最大のスカウトグループ「ナチュラル」に対する職業安定法違反容疑事件の捜査で大阪市西区のビルの一室を家宅捜索した際、居合わせたグループの20代男性の顔面を平手打ちしたり、腹部を殴打したりするなどの暴行を加えた疑いがある。 男性はその後、他のメンバー3人とともに職業安定法違反容疑で逮捕された。だが、7月17日にメンバーらの弁護士から「警察官から暴行を受けた」と府警に申し入れがあり、両容疑者が関与した疑いが強まったことなどから、4人は8月1日に釈放された。家宅捜索による押収品も「違法収集証拠」とみなされる可能性が高いとして、返却などの対応を進めているという。 府警の国井栄次監察室長は「犯罪を取り締まるべき警察官が逮捕され誠に遺憾。捜査結果を踏まえて厳正に対処する」とのコメントを出した。