黒人女性2人を射殺、遺体を豚の餌に 白人農場経営者を訴追 南ア

(CNN) 南アフリカで農場を営む白人経営者と従業員2人が、農場に立ち入ったとされる黒人女性2人を射殺して遺体を豚の餌にしたとして、殺人などの罪に問われている。同国で人種間の緊張が高まる中、今回の事件は国民に大きな衝撃を与えた。 女性殺害の罪に問われているのはザカリア・オリビエ被告(60)と、19歳の従業員および45歳の外国籍の従業員の3人。 検察によると、3人は殺人罪や殺人未遂罪で起訴され、4日に北部リンポポ州の高等裁判所に出廷した。 警察が「不法移民」とする45歳の従業員は、移民関連の法律に違反した罪にも問われている。 警察によると、事件が発覚したのは昨年8月20日。警察の捜査で農場の養豚場から腐敗した女性2人の遺体が発見され、オリビエ被告ら男3人が逮捕された。 遺体で見つかった45歳の女性と35歳の外国籍の女性は、同月17日にこの農場を訪れた後、行方が分からなくなっていた。2人には銃で撃たれた傷痕があった。2人の女性と一緒にいた外国籍の47歳の男性も銃撃されて負傷したが、脱出して病院で手当てを受けた。 男性はマスコミの取材に対し、射殺された女性のうち1人は自分の妻で、もう1人は近所の住民だったと証言。農場に立ち入ったのは、期限切れで廃棄された乳製品を回収するためだったとしている。 国民は今回の事件に対して憤りを噴出させ、被害者のために正当な裁判を行うよう求めている。 南アフリカでは同じような殺人事件が後を絶たない。16歳の未成年がヒマワリを盗んだとして走行中のトラックから投げ落とされた事件では、高裁が2019年、白人の男2人に禁錮刑を言い渡したが、上訴審では証拠不十分で2人を無罪とした。

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