無登録で社債販売疑い、比の会社経営者ら9人逮捕 170億円集金か

無登録で社債を販売したとして、警視庁生活経済課が、フィリピンに本社を置く投資会社「S・ディビジョン・ホールディングス(SDH社)」の実質的経営者、須見一(はじめ)容疑者(45)ら9人を金融商品取引法違反(無登録営業)の疑いで逮捕したことが捜査関係者への取材で判明した。 SDH社はフィリピンで、金融関係の会社や邦字紙「日刊まにら新聞」を発行する会社を傘下に持つ。警視庁は、須見容疑者らが2021年5月~23年6月、日本国内で約2400人に無登録で社債を販売し、計約170億円を集めたとみている。 逮捕容疑は、共謀して21年6月~23年2月、国の登録を受けずに、SDH社の社債を発行して勧誘し、日本国内の9人に計約1億3100万円で販売したとしている。 捜査関係者によると、日本での社債の販売は、須見容疑者が社長を務めるグループ会社「ステップキャピタルマネジメント」(大阪市北区)を窓口としていたとされる。「年利6~24%の利息がある」や「莫大(ばくだい)な資産があるから、万が一の場合のリスクは低い」などと宣伝し、勧誘したという。 SDH社を巡っては、無届けで一般投資家に社債を販売したとして、証券取引等監視委員会が23年6月、金融商品取引法に基づき、業務禁止を命じるよう大阪地裁に申し立てていた。また、一部の投資家が利息の支払いが滞っているとして、須見容疑者らを相手取って民事訴訟を起こしている。【菅野蘭】

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