阿部サダヲが主演を務め、松たか子が共演するドラマ「しあわせな結婚」(毎週木曜夜9:00-9:54、テレビ朝日系/TVerにて配信)の第4話が8月7日に放送された。ネルラ(松たか子)の元婚約者が15年前に死亡した事件の再捜査を始めた黒川(杉野遥亮)。執着ともいえる様子が視聴者の心をざわつかせていたが、その理由が明かされた。(以下、ネタバレを含みます) ■夫婦の愛を問うマリッジ・サスペンスが開幕 本作は、「妻が抱える大きな秘密を知ったとき、彼女を愛し続けられるのか?」というテーマで夫婦の愛を問う、完全オリジナルホームドラマであり、マリッジ・サスペンス。脚本を大河ドラマ「光る君へ」(2024年、NHK総合)や「星降る夜に」(2023年、テレビ朝日系)などを手掛けた大石静氏が担当する。 阿部演じる主人公・原田幸太郎は、世間の注目を集めるセンセーショナルな事件の裁判でいくつも無罪を勝ち取りながら、テレビ番組にも出演し、お茶の間から絶大な支持を得ている人気弁護士。仕事に支障が出ることを嫌い、独身を貫いてきたが、ある日、運命的な出会いを果たす。それが松演じる高校の美術教師・鈴木ネルラだ。 しかし、電撃結婚後、ネルラが抱える大きな秘密が少しずつ明らかになっていく。 ■刑事・黒川から15年前の事件について聞く幸太郎 15年前に起きたネルラの元婚約者の転落死。当時、もみ合いになって頭を打ったというネルラは記憶を失っていたが、ある日、その場にもう一人誰かがいたことを思い出した。だが、それを言わずに心を閉ざしてしまったネルラと口論になった幸太郎は、独身時代に住んでいたマンションへ戻り、しばらく別々に暮らすことに。 そんな中、刑事の黒川(杉野)が幸太郎の前に現れる。黒川は事故で処理されたネルラの元婚約者の死について、周囲の反対を押し切って再捜査を決行した人物。幸太郎は、黒川がなぜ事件に執着するのかを聞こうと、部屋に招き入れた。 15年前、交番勤務についたばかりの新人巡査であった黒川は、110番通報で現場へ。そこでネルラの姿を最初に見たのは黒川だった。先輩からネルラのことを見ているように命じられた黒川は、「どうして、この人は死んだんですか?」と問いかけた。 首を横に振るネルラに、黒川が「あなたが…」と言いかけたところで、「わからないです」とネルラは答えた。 その後、事情聴取のために警察車両に乗せられたネルラ。夜の暗闇の中、赤色灯に照らし出されたネルラの顔を見た黒川は「この女が犯人」だと確信したのだという。 刑事が勘に頼って犯人を決めつけるのは一番やってはいけないと指摘する幸太郎。黒川はそれを分かっていながらも、自分の直感を信じたのだった。だが、当時の署長の判断で他の大きな事件に人員を割くため、事故として捜査が終わってしまった。 「原田さん、奥さんはウソつきですよ。どうしてあなたはそんなに信じられるんですか?」。黒川は、まっすぐに幸太郎の目を見て、言い放った。 ■黒川の執着の理由は別にある? 騒然とする中、衝撃のラストへ 黒川が刑事に一刻も早くなりたいと願っていたときに起きた事件。黒川は「警察ですら正しいことをするには、偉くならないとできないのだと、あの時、知りました」と振り返る発言もしたが、捜査一課刑事となって“正しいこと”をするための時期がきたということだろうか。 視聴者からは、黒川を演じる杉野の実年齢が29歳ということで、15年前は警察にいなかったのではと、被害者の弟だった説などの考察が上がっていた。ドラマ公式サイトの相関図では、幸太郎とネルラのみ年齢表記がされていることから、その点で何か秘密があるのかもしれないが、とりあえず第4話時点での黒川本人の言い分では、刑事としての正義感でネルラの逮捕に動こうとしていることになる。 ただ、視聴者からは「黒川、あの瞬間に恋に落ちたよね?」「15年も忘れられないということは…」「別の執着では?」との指摘も上がる。後半のシーンで、ネルラに「好きなの?だから、いたぶりたいの?」と言われて少し動揺したようにも見え、「三角関係?」との声も加わった。 その黒川の過去に関わる人物も注目された。15年前に事件を事故にする判断をした署長・佐久間次郎が、現在は警視庁の警備部長になっていた。演じているのはバイプレーヤーとして多くの作品で活躍する野間口徹。過去の回想シーンでの登場時からSNSには「野間口さんキター」「メガネない野間口さんは怖い時」「お得意の不穏な感じ」といった投稿が相次いだ。 まだ何か隠されていそうな黒川と、当時の警察自体の怪しさ。複雑な様相を見せ始めたところで、ネルラが父・寛(段田安則)に15年前の犯人ではないかと問いかける衝撃のラストへ。サスペンス要素が色濃くなった第4話だった。 ◆文=ザテレビジョンドラマ部