「私が夫に代わって声を上げなければいけない。不安と恐怖を振り切って告訴に至った」。8日午後、神戸市内で開かれた記者会見。竹内英明元県議=1月に死亡、当時(50)=の妻(50)は、時折声を詰まらせながらも、「NHK党」党首、立花孝志氏に対する刑事告訴を決意した理由をこう述べ、「夫の名誉が回復されることを望みます」と決然と語った。 妻は、代理人の石森雄一郎弁護士とともに会見に出席。会見は1時間以上に及んだ。SNS上で誹謗中傷を受ける恐れがあるため、妻はパーティション越しに思いを語った。冒頭に表明文を読み上げた後、報道各社からの質問に答えた。 竹内氏の死については「突然のことで何が何だかわからず、(竹内氏が)亡くなった後はどういった心境でいたのか思い出せないくらいだった」と振り返り、「いまだに中傷され続けている現状が本当に信じられないが、夫の名誉を晴らしたいと言ってくださる方もいる。一生懸命に議員の仕事をしてきたことを知っているのは私だから、夫に代わって声をあげなければならない」と決意に至る複雑な胸中を明かした。 立花氏が竹内氏に対し行ってきた言動については、「夫は黒幕ではありませんし、誰かを諮り事をしておとしめるようなたくらみをしていないし、取り調べを受けたことも逮捕される予定だったということもありません。全てが噓で間違っています」と反論。 その上で「誹謗中傷で人が本当に死ぬのか、そんなわけがないと思うかもしれないが、現実に起こっている。心を傷つけられ、癒える間もなく次の攻撃が襲ってくる。そうやって希望も生きる力も失って、絶望していく」と語気を強め、「夫がもうこれ以上辱めを受けることなく、名誉が回復されることを望みます」と毅然(きぜん)と話した。 竹内氏が亡くなり半年以上が経過した。妻は「まだ何も整理がついてませんし、まだ受け入れられていない」と心情を吐露。さらに「外に出ない生活を強いられ、声を上げようにも上げられない状況に置かれ、誰とも話ができずに非常に精神的に追い込まれていった」と家族も巻き込まれた当時の状況に触れ、こう力を込めた。「もう同じようなことが2度起きてほしくない」