「踏み込んだ見解示すべき」記者への誹謗中傷に斎藤元彦知事は姿勢問われる それでも「やめて」しか言わない

「県としても誹謗中傷は決して行うべきではないと、繰り返し述べさせていただいている。SNSを利用されるすべての皆様に改めて私からもお願いしたい」 斎藤元彦知事は2025年8月6日、定例記者会見で、記者に相次ぐ誹謗中傷に対して見解を問われ、こうコメントした。だがこうした一般論に終始する知事の姿勢に、記者からは疑問の声があがった。 ■「質問や報道にためらいが生まれることを懸念」 8月5日には、新聞社などの労働組合でつくる日本新聞労働組合連合(新聞労連)が、質問を理由にした誹謗中傷は市民の知る権利を損ねるとの声明を発表。 6日の定例記者会見では、冒頭に幹事社の記者から「質問したことを理由に多数の中傷を受けることが常態化すれば、心身への圧迫により取材活動の萎縮を招き、ひいては知る権利が損なわれる」と声明文の内容が読み上げられた。そして、記者クラブとして「記者に対する誹謗中傷や人格攻撃、会社など電話が来る状況によって本来報じるべき内容の取材ができなくなることや、質問や報道にためらいが生まれることを懸念しています」とコメントした。 新聞労連は、声明文で「斎藤知事はこれまでの記者会見で『報道の自由は尊重されなければならない』と述べているが、質問をした記者が誹謗中傷にさらされる現状をどう考えるのか、報道の自由を尊重する観点で踏み込んだ見解を示すべき」とし、会見では記者から斎藤知事には見解があるのかと質問が出た。 斎藤知事は「報道の自由は当然守られるべき」とした上で、「誹謗中傷は決して行うべきではない」と繰り返し述べていることを強調した。 会見前には斎藤知事に対して「必ず殺す」などと脅迫した男性が逮捕されたニュースが報じられた。 記者からは「誹謗中傷はやめて」と一般論を述べる斎藤知事に対して、記者や知事自身など「立場に関わらず人格攻撃や誹謗中傷が行われていて、一般論だけでは効果が薄いと思う。踏み込んだメッセージを出さないのか」と質問があった。知事は「SNSにおける中傷、殺害予告のような人に危害を加えることを匂わせるような投稿、発信は、決してすべきではないと思う」と、またしても一般論を述べるにとどまった。

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