時代の端境期には、難解な事件が起きると言われる。昭和から平成へ――1988(昭和63)年から89(平成元)年にかけて、日本中を震撼させた事件があった。連続幼女誘拐殺人事件、通称「宮崎勤事件」である。東京都五日市町(現・あきる野市)に住んでいた宮崎勤死刑囚(2008年6月17日死刑執行、享年45)は当初、埼玉県内で犯行を重ねていた。未曽有の事件に埼玉県警の捜査が行き詰まる中、隣の東京都(警視庁)で犯行に手を染めたことで逮捕されることになる。昭和と平成をまたいだ、一大事件の舞台裏を紐解きたい。 【全2回の第1回】