「事態はどんどん悪化している」。弟は永久追放…ネッツのポーターJr.が語るスポーツ賭博の闇<DUNKSHOOT>

昨今、オンラインカジノやスポーツ賭博に関わり、なかには違法とは知らずに手を染めて検挙されるケースをよく耳にするようになった。 つい先日も、オーストラリアのプロリーグでプレーする日本人サッカー選手が、クラブの経営状況悪化による給料未払いなどで生活に困窮していたという理由でスポーツ賭博に関与し、逮捕されている。 今オフ、キャメロン・ジョンソンとのトレードでデンバー・ナゲッツからブルックリン・ネッツへと移籍したマイケル・ポーターJr.も、身内にスポーツ賭博に関わった者を持つ1人だ。 8月12日に公開されたポッドキャスト、『One Night With Steiny』の最新話に出演したポーターJr.は、スポーツ賭博と隣り合わせの危険な環境にある選手たちの実情を語った。 ポーターJr.の実弟で、NBAでもプレーしたジョンテイ・ポーターは、トロント・ラプターズに在籍していた2024年、スポーツ賭博に関与してリーグから永久追放処分を受けた。 ジョンテイ本人がスポーツ賭博で多額の借金を作っており、それを埋め合わせるために大金が必要だったことが違法行為に手を染めたきっかけだった。 ギャンブラーに自分の健康状態に関する情報を漏らして、試合で高いスタッツが出せない状況にあることをあらかじめ教えたり、チーム側に「体調が悪い」などと虚偽の報告をして、出場時間を短くして数字を抑えたりする行為を数回繰り返し、特定の人物や自分自身に儲けを捻出していた。 リーグの調査団が賭けの内容に不自然な点があることに気づいて不正が発覚したが、ポーターJr.は、「もちろん良いことであるはずがない」と前置きした上で、いかに選手がこうした不正に関与しやすい状況に置かれているかを話した。 「考えてみてほしい。『俺のスタッツが低い方に1万ユーロを賭けろ』と言うだけで、家族や友人を一瞬で金持ちにできてしまうんだ。自身はケガをしたかのように見せかけて、3分で退場する。それで身近な人間がちょっとした儲けを得ることができる。良くないことだけど、そういう考えを思いつく人がいてもおかしくない。 多くが経済的に厳しいバックグラウンドの出身で、家族も財産など持っていない。3分間でベンチに引っ込むだけで自分のブラザーたちを救えるとしたら? 僕の弟もそうした状況に陥ったことがある。マリーク・ビーズリー(デトロイト・ピストンズ)がその渦中にあることはご存知のとおりだ。テリー・ロジアー(マイアミ・ヒート)も以前トラブルに巻き込まれた」 ビーズリーは現在、賭博に関与した疑惑をめぐり、連邦当局の調査対象となっている。ロジアーも23年の試合で、足の不調を訴えて早々にベンチに引き上げた試合において、彼の低いスタッツに賭けた人物が大金を勝ち取っていたため、調査対象となった。

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