超特急やM!LKなど、人気ボーイズグループを多数擁する若手アーティスト集団・EBiDANが、夏の恒例ライブイベント「EBiDAN THE LIVE 2025 HOTEL NINE STAR」を、8月15・16・17日に東京・国立代々木競技場 第一体育館にて開催した。 所属グループが年に一度集結する豪華イベントとして定着している「EBiDAN THE LIVE」(通称:エビライ)だが、開催14年目を迎えて初の3デイズ開催となる今年のテーマは「ホテル」。天空に浮かぶ「HOTEL NINE STAR」にて、初日は「Emerald GATE」、2日目は「Brilliant GATE」、3日目は「Diamond GATE」と、それぞれEBiDANのE、B、Dを頭文字に持つゲートでEBiDANメンバーが出迎え、ホテルクルーとなって「HOTEL NINE STAR」での幻想的で刺激的なひとときを過ごしてもらうというコンセプトだ。 今回の出演グループは超特急、M!LK、SUPER★DRAGON、Sakurashimeji、ONE N’ ONLY、原因は自分にある。、BUDDiiS、ICEx、Lienelの全9組61人。特色あるブロックのそれぞれをホテルのフロアに見立てた構成で、3時間にわたりオーディエンスをエスコートした。その内容は、メンバーのバンド演奏が炸裂するロックラウンジフロア、ドラマ仕立てで普段は見られない趣向を凝らしたレストランフロア、恒例のシャッフルユニットや特別ユニットが次々登場するスペシャルフロア、歌で聞かせるディナーショーフロア、ダンスとラップで魅せるクラブフロアなど多彩極まりなく、さらに、今年はメンバー対決や寸劇など公演ごとに変わるコーナーも満載。演出プロデュースを務めたユーキ(超特急)の指揮のもと、エビライでしか味わえない豪華メニューで、超満員のオーディエンスに最高のおもてなしをしてみせた。 開演時刻になると、豪華なシャンデリアと赤いカーペットの敷かれた空間に、グループごとにおそろいのホテルクルー衣装に身を包んだ9組がたたずむプロローグ映像が大型LEDに流れ、そのエレガントかつ荘厳な空気感に場内は大歓声の嵐に。そして、アリーナ席に四角形に張り出した花道にONE N’ ONLY、BUDDiiS、ICEx、Lienelの4グループが恭しくポーズを決めて登場し、今年のテーマソング「HOTEL NINE STAR」をTETTA(ONE N’ ONLY)が「ようこそおいでくださいました」と歌い始めて、エビライ開幕を告げていく。 「みんな一緒に盛り上がっていきましょう!」(TETTA)とビッグバンド風のゴージャスなナンバーで軽快にステップを踏み、MORRIE(BUDDiiS)が「今日も元気に、もりもーり!」と拳をあげてからはSUPER★DRAGON、Sakurashimeji、原因は自分にある。もセンターステージへ。SUPER★DRAGONの面々が鋭いラップを放ち、大倉空人(原因は自分にある。)が「そう、夜はこれから」(15日)、「あなたを幸せにします」(16日)」、「一生、手、離さないから」(17日)とウインクすれば、さらに客席は沸き返る。クライマックスでは佐野勇斗の太い歌声と共にM!LKがメインステージの中央扉から姿を現し、最後はタカシ&シューヤのツインボーカルで超特急の9人がステージ上段に降臨。なんともぜいたくなオープニングで、ファンを冒頭から魅了した。 超特急のリーダー・リョウガが「ようこそ! 天空に浮かぶ『HONEL NINESTAR』へ」とあいさつし、まずは各グループの代表者が意気込みを表明。初日は佐野が「ジャン?」とコールして客席に「海渡!」と返させ、カイ(超特急)が「手で1作ってください! 親指を立ててください。それを反転させて顎の下に持ってきてください!」と指示して「クール洸希!」のポーズを作り、ジャン海渡と田中洸希(SUPER★DRAGON)を戸惑わせた。どこから矢が降ってくるかわからないエビダンならでは光景を早くも見せ、続いてSakurashimejiの2人が客席を埋め尽くすEBiDANファンとコール&レスポンス。推しの名や「EBiDAN!」と叫ばせたのち、まずは9組のうち前半5組が持ち曲を日替わりでパフォーマンスする。 トップバッターとしてセンターステージに現れたのは、原因は自分にある。。初日は「An An AAAn」のリフレインと舌打ちが中毒性抜群の「因果応報アンチノミー」で、彼ら独自の抽象的なリリックをLEDに大映しにしながら独自の世界観を見せつけていった。2日目の「遊戯的反逆ノススメ」でもアップテンポのバンドトラックに起伏の激しいダンス&ボーカルを乗せ、自身の反逆=決意をたたきつける。普段以上に激しく、勢いづいたパフォーマンスで「俺らのことを忘れないように脳裏にこびりついてやるぜ!」という大倉の言葉を現実のものとしてみせ、最後にリーダーの吉澤要人が「忘れんじゃねーぞ」と言い残すのもニクい。一転、3日目はラブソングの「方程式は恋模様」で、ここまでの2日とはまったくイメージの違う“げんじぶ”像を表現。学生ならではの初々しい恋心をキュートな振りで表し、大倉は「みんなモニター見て!」と注意を引いて投げキス。歌い出しや落ちサビなどは、2年前まで高校生だった最年少の桜木雅哉が担当し、最後に「隣にいて…大好きだよ」と歌い替え、オーディエンスの心をつかんだ。 曲制作から振り付け、演出等も自ら担うBUDDiiSは、彼ら最大の武器である多幸感あふれる空気をふんだんに味わわせることに。初日はSHOOTが作詞した「LÖVE ME」で、初々しい恋のときめきを甘酸っぱさいっぱいに提供する。翌日はKEVIN作詞曲の最新曲「BLUE SODA」で、輝く夏の日々をセンチメンタルにプレイバック。FUMINORIとFUMIYAの振り付けによる繊細なダンスと笑顔、そしてMORRIEらの伸びやかなボーカルで心をほどき、ラストは会場中のペンライトと一緒に大きく手を振り、新たな夏の思い出を作り上げた。リーダー・FUMINORIの「みんな大好き!」の宣言から、最終日に用意されたのは涼やかなダンスチューン「Ütopia」。バランスの良いボーカルアンサンブルで、ファンとの絆を歌い、軽快なステップで踊る10人は心から楽しそうな様子で、見る者に喜びを与える。それだけにSEIYAが歌う「君の喜びは僕の喜び」というリリックは真に迫り、FUMINORIの「愛してるよ」という念押しが心に響いた。 今年でエビライ出演3回目になるLienelは、3日間でまったく異なる顔を表現。初日はモノトーンの衣装をまとい、タイトルからして大人な「罪と罰」で、ドラマティックな動きとこん身のボーカル、色っぽい表情で表していく。2日目はウインターラブソングの「セカイイチ」で“君”へのはやる思いを、平均年齢17.6歳らしい可愛いステップとくるくる変わる表情でキュートにアピール。ラストは全員でハートを作って等身大の魅力を表した。そして3日目は最新シングル「超絶SUMMERでバカになれ」で、冬から夏へと急展開。祭りのリズムからダンスビート、果てはロックと次々と変わる曲調に乗り、森田璃空が芳賀柊斗の背中に乗って攻撃的にラップを放つシーンも。法被姿とねじり鉢巻きで「わっしょいわっしょい」とタイトル通りのバカ騒ぎを、若さいっぱいに繰り広げた。 Lienelと同期のICExも、初日からワイルドなラップで始まる最新シングル「インストール」でクールな一面をあらわに。ハーフパンツのかわいらしい制服スタイルで繰り出すメカニカルなダンスで“ロボットの恋心”を表現して、笑顔に不穏を香らせる。2日目は爽快な「Hollywood」をチョイス。山本龍人の号令でオーディエンスに「Hey!」の掛け声を上げさせ、息の合ったダンスとユニゾンボーカルで、心地良い夏の風を感じさせた。3日目は「シブヤ 午後6時」で彼ら特有のレトロ・トイ・ポップを提示。透明度の高いフレッシュなボーカルとグルーブ感あるダンスビートの相性もバッチリで、センターステージから花道に広がってメンバー同士顔を寄せ、ハグする“らしい”アクションも。後半には出演9グループの名前を観客と一緒にコール。最後は大きく手を振って「LaLaLa」の大合唱を巻き起こし、これぞエビライな光景を作り上げた。 さらに、今年「イイじゃん」で大ブレークしたM!LKは、初日のセンターステージに現れるなり、ファンのコールが肝になる「エビバディグッジョブ!」で全方位の観客をにぎやかにあおりまくり、さすがの貫禄。装飾過多なスカイブルーのセットアップも、彼らが着るとしっくり似合ってしまう“王子様力”の高さを見せる。2日目も白い羽根のついたピンクの王子様ルックで、CMソングとしても起用されている最新シングル「アオノオト」を披露。青空が見える爽やかなサマーチューンを、全員で手を合わせたりとチーム力を表す振りも交えて歌い上げ、ほとばしる汗が見えるような応援ソングを全力で届けた。そして3日目はお待ちかねの「イイじゃん」で場内を席巻。M!LKらしい甘いメロディーが急展開してモニターに山中柔太朗がアップになり、ファイヤーボールも打ち上がれば、客席はどよめきまくり。場内にはレーザーが飛び交って一気に5人がギラついた表情を見せる、このギャップがたまらない。しかし、実は歌詞の内容にギャップはなく、終始リスナーを励ましているのが肝。白と黒、ソフトとハードが交錯するミラクルな曲を、温かな笑顔とセクシーな表情、緩急利きまくりのダンスで見せ、己を信じられる不思議なパワーをオーディエンスに与えていった。 5組が会場をガッチリと温めてからは、ロックラウンジフロアへと場面は移り、昨年に続きEBiDANメンバーによる生バンド演奏がスタート。イントロからタイトなビートを放って客席を沸かせるドラムにEIKU(ONE N’ ONLY)、弦楽器隊はベースに田中雅功、エレキギターに髙田彪我とSakurashimejiの2人、キーボードに伊藤壮吾(SUPER★DRAGON)、ピアノにKEVIN(BUDDiiS)という布陣で、見事なロックアンサンブルを聞かせていった。ボーカルは日替わりとなり、初日はTETTAが「第ゼロ感」(10-FEET)をタフなボーカルを聞かせ、場内には「whoa whoa」の大合唱も。ついにはシャツもタンクトップも脱いで上半身をさらし、ロングトーンをとどろかせた末にバンドとアイコンタクトしてジャンプと、本格的なロックパフォーマンスでオーディエンスの度肝を抜いた。 2日目は武藤潤(原因は自分にある。)が「さよならエレジー」(菅田将暉)を熱唱。KEVINの流麗なピアノフレーズに始まり髙田がディレイフレーズを刻んでいくブルージーな演奏に乗せ、持ち前のエモーショナルな歌声と物語性の高い感情表現で光射す哀歌を歌い上げていく。落ちサビではフロアに膝をつき、曲終わりには「さよならは別れ言葉じゃねぇぞ! 今日これを見ているみんな! 誰かに、家族に、仲間に、愛されてるんだ! だから、自分に自信を持って人のことを愛してみてもいいんだぜ! 1人じゃねぇ! 1人じゃねぇ!」と魂の叫びをあげて、実に彼らしいステージを見せた。 3日目は「小さな恋のうた」(MONGOL800)を張りあるボーカルでパワフルにブチかました佐野が、感動的なまでに熱過ぎるステージを展開。かけていたサングラスを冒頭から投げ捨て、髙田の首に腕を回したりと大暴れ。さらに、花道を進んでセンターステージにたどり着くと、タンクトップを脱いで客席に投げ捨て、オーディエンスに「歌え!」と叫んで合唱を呼びながら花道を疾走する。なんとステージを降りてアリーナ客席の通路を一番後ろまで激走。ステージに戻ると今回のバンドメンバーの名を呼び、「そしてユーキ(超特急)くん! ありがとう!」と、思いのこもったパフォーマンスを共に作り上げた仲間たちに感謝した。 ここからはホテル併設の“Stellar Table”が自慢の創作料理を次々に提供するレストランフロアへ。ウエイターのFUMINORI(BUDDiiS)の元に、EBiDANの誇る3組の兄弟が日替わりで訪れた。初日はHAYATO(ONE N’ ONLY)とFUMIYA(BUDDiiS)の高尾兄弟がフォーマルなジャケット姿で、2日目は兄のMORRIEを弟のSHOOTがおぶってBUDDiiSの森兄弟がお客として来店。3日目はタクヤ(超特急)とNAOYA(ONE N’ ONLY)の草川兄弟が、レストランの扉を開く。 どの兄弟もFUMINORIとのコミカルなやりとりで楽しませたが、タクヤは「“奇跡の30歳”の面白可愛い一発芸とかありますか?」と無茶ぶりをしたFUMINORIに「スターの笑顔を見せていただいてもいいでしょうか?」と返され、かわいい顔からの百面相をしてみせた。そしてFUMINORIのお薦めに従い、「シェフが気まぐれに考えたスパイシーカレーwith福神漬け」を3組がオーダーすると、エキゾチックなインド風衣装に身を包んだマサヒロ(超特急)、吉田仁人(M!LK)、飯島颯(SUPER★DRAGON)、TETTA、杢代和人(原因は自分にある。)、SEIYA(BUDDiiS)の6人がステージに。オリエンタルな「Curry on love」(Lienel)を杢代のウインクをきっかけに全力で踊るが、全身真っ赤でかぶり物をかぶった福神漬け役のユーキに武藤と、メンバーカラーが赤の2人が6人よりも前に出て場をかっさらってしまう。ちなみに2日目の福神漬けは武藤の代わりにHAYATOが入り、3日目は“福神漬け祭り”としてユーキ、HAYATO、武藤の3人で舞って、センターを陣取った。 「隠し味のはずが、福神漬けの主張が激しすぎる!」「出しゃばり過ぎ」という客のクレームに、口直しのデザートとして、今度は「厳選食材をふんだんに使用した甘い甘~いスイーツの盛り合わせスペシャル」がサーブされる。まずは、超特急のタカシとハル、M!LKの塩﨑太智、SUPER★DRAGONの志村玲於と古川毅、原因は自分にある。の長野凌大、BUDDiiSのYUMA、Lienelの高桑真之の8人で大きなロリポップを手に、ニコニコ笑顔でICExの「CANDY」をダンス。続けて超特急のリョウガ、M!LKの山中と曽野舜太、SUPER★DRAGONのジャンと柴崎楽、BUDDiiSのSHOW、ICExの竹野世梛がミントアイスを握って、原因は自分にある。の「チョコループ」を贈ると、彼らの普段は見られないかわいい姿に客席も大興奮だ。最後は客の2人もアイスを手渡されてセンターで決めポーズ。NAOYAは兄にハグして「もうおなかいっぱい」と大満足の顔を見せた。 ホテルの客室で放送される期間限定のエンターテインメントチャンネルとして、この日限りのスペシャルシャッフルユニットも3組ずつ出演。3日間で計9組と全グループのユニットが登場した。まず、初日では「TEDDiiS」が「Brightness」(BUDDiiS)をカバー。壮大な歌モノ曲を本人役のMORRIEがセンターでリードしながら、FUMINORI役の芳賀柊斗(Lienel)、SEIYA役のアロハ(超特急)、SHOW役の中村旺太郎(ICEx)、FUMIYA役の長野凌大(原因は自分にある。)らがなめらかに歌いつないでいく。YUMA役の松村和哉にHARUKI役の飯島と、SUPER★DRAGONの2人もオリジナルメンバーのTAKUYAと共にラップやフレーズをインサート。クライマックスの歌唱を担当するKEVIN役の八神遼介(ICEx)、SHOOT役の武田創世(Lienel)も伸びやかな声を聞かせて、晴れやかな楽曲をより輝かせていた。 「原因は自分にパグ。」は、なんと犬の耳をつけて「原因は自分にある。」をパフォーマンス。長野のポジションに入った田中のアンニュイな歌い出しから、大倉役の山本龍人(ICEx)、小泉光咲役の近藤駿太(Lienel)に、本人役の吉澤と、げんじぶ特有の難解な歌詞をリズミカルにリレーする。サビの武藤パートを歌う池田彪馬(SUPER★DRAGON)の硬質なボーカルは、よりクールな色合いを添え、杢代役のYUMA(BUDDiiS)は「承認して」のセリフをシリアスな表情で担当。だが、そんな楽曲の随所にはかわいい犬のしぐさも盛り込まれ、桜木の位置に入ったリョウガに至っては、カメラに向かって前足で手招きするワンちゃんポーズまで。普段見られない顔が見られるスペシャルな演出で場内に喜びの阿鼻(あび)叫喚を呼んだ。 場内にあふれたキュートなムードは、「ULTRA★PHOENIX」の「La Vida Loca」(SUPER★DRAGON)で危険なアグレッションへと一変。ド頭からSEIYAが松村のラップをアウトローに投下すれば、そのままジャン役の森田がゆがんだ声でマイクをつなぐ。2番では古川毅役のシューヤ(超特急)が朗々たる歌声にわずかなディストーションを利かせ、前曲とは逆に池田のパートを担当する武藤が熱いロングトーンで歌い上げるなど、自グループとは異なる曲調でも高いボーカル力を発揮するのも見逃せない。田中役のSHOWに、伊藤壮吾役のNAOYA、志村役の竹野、飯島役の高桑と、柴崎が率いるダンサー陣もラテンに躍動して、情熱の熱風を吹かせた。 2日目のシャッフルブロックは「Kiranel」の「Mr.Sister(Sister ver.)」(Lienel)から幕開け、フェザー付きヘアバンドにギラギラのフリンジ袖衣装+パンタロンという昭和のアイドルスタイルでメンバーが現れれば悲鳴のような歓声が。大倉は「もう1回行くで~!」と大阪出身・森田のあおりをしっかり踏襲する一方、高岡ミロ役のジャンに芳賀役のTETTAは、大人のムードたっぷりの低音で歌い始めて、本家にはない湿度を醸す。赤いバラを手にコテコテのダンスを踊り、武田のボーカルをSHOOTが頼もしく担い、普段は歌うことのないユーキが高桑のパートで歌声を聞かせると、場内はさらにヒートアップ。“未体験イケメン”と呼ばれる近藤のポジションに“レベチイケメン”の杢代が入るのも熱く、全員で赤いバラを投げ捨てる“お約束”でレアなステージを締めくくった。 続いて、「YULK」はM!LKの「テレパシー」を披露し、頭から曽野役のHARUKI(BUDDiiS)が歌い始めると会場はドッと沸騰。塩﨑役の伊藤といい、自グループではダンサーを務める面々がキュートな歌声を聞かせてくれるのもシャッフルならではだ。加えて本人役の佐野はもちろん、山中役の “奇跡の30歳”FUMINORIに、吉田パートで優しくも圧倒的歌唱力を示すタカシ(超特急)と、切ない思いを歌う楽曲で全員が満面の笑顔や愛らしいしぐさを惜しまず見せて、客席は「かわいい!」の嵐に。さらに佐野が「HARUKI、お疲れ! よく頑張ったな!」とBUDDiiS卒業を間近に控えるHARUKIをサプライズで抱き寄せてメンバーで囲むと、HARUKIはFUMINORIの、佐野はHARUKIの頬にキス。センターで堂々と歌うHARUKIはほっぺハートから最後の投げキスまで完璧なアイドルを貫き、EBiDANの愛にあふれたステージで温かな感動を呼んだ。 ONE N’ ONLYの「DOMINO」に挑んだ「DANZE N’ ONLY」では、なんと、兄・HAYATOのポジションを弟のFUMIYAが担当。挑発的なラップスタイルとザラついた声音は目を閉じるとHAYATO本人かと思うほどで、遠慮も見せず、ここぞとばかりにイキイキと躍動して客席を沸かせまくる。脚を中心に1秒も休みなく動き続けるダンスはONE N’ ONLYの楽曲の中でも一二を争う難度だが、その中でもカイ(超特急)はREIのパートで艶のある歌声を悩ましく聞かせ、NAOYA役の山中は曲中でウインクを入れる余裕まで。EIKU役の志賀李玖、TETTA役の筒井俊旭とICExの2人もしっかりと高音ボーカルを引っ張り、鋭い視線とフェイクを放って、最後は全員で一列に。全身全霊を尽くした完成度の高いパフォーマンスで、会場を興奮のるつぼに叩き落とした。 3日目の1番手は「TOYSx」によるICExの「Maniacs」。竹野のポジションに入り、人形のような動きを見せて歌い出した小泉の涼やかなボーカルは、清涼感ある四つ打ちビートにしっくりなじんで、八神遼介役の高岡を起こすかわいい振りも自然にこなす。Bメロを筒井役のHAYATO(ONE N’ ONLY)から山本役の塩﨑、千田波空斗役の古川毅(SUPER★DRAGON)と、先輩たちが曲の世界観に寄せた繊細な声音でつなぐのにもグッとくるが、それを投げキスで堂々と締める本人役の志賀はさすがだ。頭を抱く古川に頭を抱かれた塩﨑が、そのまま古川の背に乗るシーンも美しく、本人役の阿久根温世が小泉にハグしたり、カメラに抜かれた中村役のKEVINも初々しい笑顔。最後はピースやほっぺハートでカメラに収まった。 Sakurashimejiの「simple」を演奏したのは、吉田とREIによる「Zakuronameko」。メンバー発表から大歓声を受けた2人は、ギターを肩にかけて並び、スタンドマイクで歌唱する。田中のパートを歌う吉田のボーカルに、髙田役のREIは絶妙な下ハモを入れるサビは、グループでもしっかりボーカルを聞かせている2人だけあってハーモニーの重ね方も美しさも抜群。ときどき目をつぶりながら吉田は熱唱し、REIは1音1音を丁寧に確かめるように歌って、楽曲への理解とSakurashimejiの2人に対するリスペクトがうかがわせる。デュオということで、もちろん互いの様子をうかがい、顔を見合わせて破顔するシーンも。ハイクオリティなパフォーマンスに、客席からは大きな拍手が贈られた。 そしてシャッフルブロックのラストを飾ったのは、超特急ならぬ「豪速球」の「Steal a Kiss」。ユーキの位置に入ったイメージカラーが赤つながりの曽野が、M!LKのイメージとは違った妖艶で鋭い視線をカメラに向けたド頭から、場内は一気に沸き返る。ツインボーカルにはタカシ役に桜木、シューヤ役に千田と、今年20歳を迎える同学年コンビがチャレンジ。千田は透明感あるハイトーンでテクニカルなシューヤパートを見事にこなし、桜木もグッと骨太でエモいボーカルを聞かせる。見どころでもある曲中の決めゼリフでアロハの「こっち向けよ」をTAKUYA(BUDDiiS)が担当し、ユーキのセリフを「好きなんやろ?」と曽野がニヤリと方言で放てば黄色い悲鳴が。志村は手首を顔に寄せる印象的な振りでリョウガの色っぽいムーブをなぞり、EIKUもカイのセクシーな空気感を醸していく。タクヤ、マサヒロ、ハルは自身のポジションを務め、タクヤはジャケットを肘まで脱いで肌をあらわに。スパークラーの火花が散る中、オーディエンスを熱狂させた。 衝撃続きのシャッフルで興奮冷めやらぬ中、ユーキが「大変だ! 急きょ後輩たちが遊びに来ちゃって」とステージに飛び込んできたのに続き、このたびSDRの新研究生としてEBiDANの後輩になった、すみっコぐらしの「しっぽず」が登場。キュートなフォルムに「かわいい~!」とデレデレのユーキが、えびてんのしっぽ、えびふらいのしっぽ、あじふらいのしっぽとメンバーを紹介していく。そしてEBiDANの全体曲として長年愛されている「恋のDing Dong」を出演9組61人とコラボ。その愛らしさにEBiDANメンバーも魅了され、田中はあじふらいのしっぽにベッタリ。MCの吉田も「回を重ねるごとにパフォーマンスが板についてきてる」「すぐに人気を抜かされるのでは」と不安を漏らしたほどだ。 ここでスイートルームの突撃訪問サービスの時間となり、プライベートでも交流のあるタカシと飯島のほんわかコンビが、舞台裏のスイートルームから中継。初日はシューヤ、志村、TETTAとEIKU、TAKUYAの5人がタンクトップで筋肉を見せつけながらトレーニング中で、握力計を握って筋肉王子の座を争うこととなる。「この測定器、ぶっ壊していいですか?」と豪語していたTETTAの51.2kgを上回る54.8kgを記録したTAKUYAの色白な細腕を一同がベタベタと触る場面もありつつ、シューヤが驚異の59.4kgを記録してブッチギリの優勝。「僕の写真集ぜひ買ってください」と、すかさず発売されたばかりの写真集の宣伝をしたシューヤに、吉田は「握手会に行く時は気をつけて」と客席に注意喚起した。 2日目はジャン、髙田、FUMINORIの3人が“地獄耳王子”の名をかけ、倍速音楽を聞いてEBiDAN楽曲の曲名を当てるゲームにチャレンジ。7倍速から始まり、答えられなければ5倍速、3倍速と聞きやすくなっていくルールだ。1曲目の「What’s up, Voyagers!」ではタイトルを思い出せないFUMINORIが「去年の(エビライの)オープニング曲!」の回答でポイントを獲得し、他の2人が不満げな顔を見せる。2曲目ではタカシから「全体曲とは限らないです」のヒントが出され、髙田が「“好き好き”言ってた」と気付き、FUMINORIに2年前のエビライの「西日本ユニット」の曲と分かったものの、またもやタイトルが出てこず、髙田が「青春~珍道中~!」とひねり出して奇跡の正解。一方、ジャンはどの問題でも「New day! New wave!」一本やりの潔さで、最終問題ではFUMINORIが3倍速で「バッタマン」(超特急)を正答し、勝者となった。 3日目はハル、塩﨑、田中の3人が「箱の中身はなんだろうゲーム」に挑み、ハンドパワー王子の座を目指した。塩﨑は「何か動いてるって!」と自ら箱を揺さぶりながら雄叫びをあげ、田中は「マジでやりたくない!」と怖々手を入れてコンニャクに触れるなり「気持ち悪い!」と握り潰してグチャグチャにする。ハルは「ホンマに嫌です! でも、みんなが見てるからやります……アイムキング」と呟きながら、コンニャクに触れもせず腕を箱に貫通させて大騒ぎ。にもかかわらず、なぜか正解してハンドパワーを証明し「やっぱり、みなさんが見てくれるから才能が開花したんじゃないかなと思います」と胸を張って、優勝賞品の高級ガウンを受け取り、高級玉座でくつろいだ。 エビライならではのスペシャルフロアの時間はまだまだ続き、話題のアイドルユニットがステージに。FUMIYAの切れ味鋭いラップを皮切りに、I阿久根、千田波、近藤、森田による「MORE FIVE」が、クールで艶やかなダンスチューン「Break Free」をセンターステージから放っていく。全身黒の彼らとは正反対に、続いて本ステージにはREI、吉澤、志賀による「3★STAR」が、純白の王子様スタイルで王道アイドルソング「限界Lonely☆」を披露。指ハートや腕ハート、投げキスなども笑顔で盛り込み、最終日にはセンターの吉澤が両脇の2人の肩を抱き寄せ「REIくん、シガリク、この3人が俺は大好きです!」と宣言してファンを喜ばせた。 ここでチャイムが鳴り、サンバイザーとスカーフを着けた夏のママスタイルの髙田&虫取り網にカゴを持った田中と、親子に扮(ふん)したSakurashimejiの2人がホテルに来館。迫真の演技で母と息子を演じる彼らを、ホテルマンのカイが「フレッシュな従業員による甘いひと言がお楽しみいただける」スイートラウンジへと誘って、各公演ICExとLienelの選抜メンバー2名が、髙田を“甘~いひと言”でおもてなしする。 初日は八神が夏祭りを舞台に「僕は花火なんて味方にしなくたって、先輩のこと捕まえに行くんで」とささやき、武田は「いつも疲れてると思うのに頑張ってくれてありがとう。今日はせめて笑ってほしいから…大好き!」と髙田にハグ。2日目は“偶然パリの空港で再会した時のひと言”という難しいお題で「俺、このあと日本帰ろうと思ってたんだけど、まだ、彪ちゃんと一緒にいたいな……いたい! ねぇ、いいでしょ?」と頼んだ竹野にも、遊園地での初デートシチュで「俺はね、今、君と過ごす時間が一番幸せなんだよね。愛してる」と告げた高桑にも、髙田は感激のあまり抱きついた。3日目は“崖っぷちで犯人の若い男が思いを寄せる女刑事に告白する”という設定では、山本が「こんなどうしようもない俺を…逮捕して」とかわいく腕を差し出す。そして芳賀は映画館デートというシンプルなシチュエーションで「ねぇねぇ、耳貸して。キスしていい?」と耳元でささやくと、髙田は「ちょっと、ホントにドキドキ!」と乱心。各公演、髙田が気に入った方にスパまで案内されるというサービスもあったが、初日は武田にお姫さま抱っこを、2日目は竹野におんぶをされ、3日目は逆に芳賀をお姫さま抱っこして「幸せ~!」とステージを去って行った。 ここでカイいわく「当ホテル自慢のアイドルユニット」である「情熱アチチ♡恋泥棒」が登場。リョウガ、曽野、田中、TETTA 、武藤、TAKUYAと、各グループ随一のアツい面々がスパニッシュな装いで「Resplandor」を初披露する。冒頭「離さないぜ」とリョウガがささやいて悲鳴を湧かせ、真っ赤に光る星型のタンバリンを手に、マイクスタンドも駆使して歌謡テイストの香るダンスチューンを贈ると、初披露にもかかわらず客席から大音量のメンバーコールが湧く。「こっちこいよ」(田中)、「このままがいい」(TAKUYA)、「抱きしめて、いい?」(曽野)、「誰にも渡さない」(武藤)、「君しか見えないんだ!」(TETTA)といった甘い曲中セリフや、武藤のクサい長ゼリフでもメロメロに。スペイン語で“輝き”という曲名の通り、ギラギラに情熱的なパフォーマンスで場内のペンライトを波打たせた。ちなみにリョウガが欠席となった最終日は、彼のうちわを取り付けたスタンドマイクが代わりに参加し、メンバーもファンと一緒に「リョウガ!」コール。TETTAは曲中セリフを「リョウガしか見えないんだ!」と言い替え、曽野も歌い終えてから「リョウガくん、愛してます」と先輩への深い愛を表した。 曽野が「続いては、ディナーショーフロアです!」と告げてからは、メインステージにスポットが当たり、タカシ、EIKU、KEVINと歌自慢の3人でEBiDANの新たなバラード曲「How Fool We Are」を歌唱。愛や人生、そして歴史の中で繰り返されてきた人類の愚かさや命の理由について問うスケールの大きなバラードを肌触りの良い歌声で力強くつづり、神々しいハーモニーを届けて、大きな拍手を呼んだ。 そのサビで雄大なフェイクを聞かせたタカシは、ここでホテルにまつわるエピソードをジャジーなBGMに乗せて紹介。初日はライブのために泊まった地方のホテルでパジャマ姿の時にファンに遭遇したものの、まったく見向きもされなかったという話を。2日目は写真集の撮影でオーストラリアに行った際のホテルで、タクヤが涙を流して「おまえ頑張ってるよな、頑張ってこうな」と伝えてくれたことを告白した。最終日はホテルから離れ、来年15周年を迎えるEBiDANの歴史を回顧。演劇や路上ライブから始まった険しい道のりの中、どうやってスターダストの色を出して輝いていけるか模索し続けてきたこと。そして先輩のPRIZMAXや同期のDISH//がフィールドを広げ、ようやく最近メディアに出られるようになったことを語り、「今、こんなにも多くの方々に『EBiDAN THE LIVE』を見てもらうことができて、本当にうれしく思います。皆さんがいるからこそ、僕たちEBiDANグループは成り立っています。いつも本当にありがとうございます」と一礼して感謝した。 場面はクラブフロアへと移り、まずはメインステージにユーキ、ハル、HAYATO、FUMIYA、筒井の5人が現れる。Vaundyの「しわあわせ」に乗せ、真っ白な衣装でタイトルの通りユーキとFUMIYAで手と手を合わせてみたり、床に寝転がってのパフォーマンスを天井からのカメラでダイナミックに魅せたりと、コンテンポラリーなダンスを披露。それぞれの表情も歌詞とリンクして、最後はユーキが万感の思いを顔に浮かべて「しわあわせだ」と口を動かし、わずか1分強で感動的なステージを作り上げた。続いて、マサヒロとEIKUによる「MEtheFIRE」がセンターステージにお目見えする。スモークが立ち込める妖しいムードの中、迷彩柄のワイルドな衣装をたくし上げて腹チラすれば客席は沸騰。緻密すぎるボディームーヴをシンクロさせてダンサーの真髄を見せた。 さらに、塩﨑とFUMINORIが、ICExとLienelの2組14人を引き連れて「Limitless」で躍動する多彩なダンスパフォーマンスのあとは、主役をラッパーチームにバトンタッチ。ドープなトラックが流れての「To the Top for Top」では、なんとカイとSEIYAが2階スタンドの客席に登場し、自身にまつわるキーワードやファンネーム、楽曲タイトルなどをふんだんに盛り込んだフロウを投下していく。さらにメインステージで高岡が自身のキャリアをなぞり、引用も交えたラップを放てば、センターステージでは阿久根と竹野がラップとボイパを交互にスイッチして、己の意志をシャープにたたきつけた。また、花道では大倉からアロハへと同じ湘南出身の親友同士でスキルフルに、メインステージではFUMIYAからHAYATOへと同じ血を持つ兄弟でマイクをつなげるのも熱い。最後は9人全員で「To the top of top!」と繰り返し、自分が自分であるためのライムを放つ彼らの前にファイヤーボールも打ち上がって、客席のペンライトを大きく揺らした。 そして全員がメインステージに集い、ユーキを中心にエビライ恒例のダンスサイファーへ。各公演メンバーも振りも即興で、まずは志村や飯島らのSUPER★DRAGONと、長野や桜木らの原因は自分にある。が挑発し合う。ICExからは竹野や筒井、山本が自由に躍動すれば、Lienelからは森田がアクロバティックにステージへ。ONE N’ ONLYはHAYATO、EIKUを中心に全員が参加すれば、BUDDiiSもFUMINORIとFUMIYAが先頭に立つ。超特急はユーキ、マサヒロ、アロハらが艶やかに舞い、M!LKからは吉田がピルエットして、最終日は佐野がバク転&山中がセクシーにシャツをたくし上げてカメラにキスしてみせた。 スパークラーの火花が噴き上がり、レーザーが飛び交ってユーキが「なめんな!」と気勢をあげてからは、グループパフォーマンスの後半4組がスタート。EBiDAN唯一のギターデュオであるSakurashimejiは、田中のボーカルと髙田のギターで今、ステージに立つこの瞬間のリアルなエモーションを音に落とし込んだ「ランドリー」で、初日からロックに会場を揺らしていく。対照的に、2日目は自身で作詞曲した主演ドラマ「カプカプ」(テレ東系)の主題歌「いつかサヨナラ」で笑顔満開に。2人で向き合い、ギターをかき鳴らしながら笑顔で顔を見合わせるが、ポジティブな希望だけでなく別れの寂しさも滲んでいるあたりに、彼らの音楽の懐深さがうかがえた。ステージ上を移動して客席をあおる田中に、心かき乱すようなギターソロを聞かせる髙田と、洗練されたステージの最終日に贈られたのは、今春リリースした最新作「春が鳴った」。髙田が作詞曲したエモーショナルなロック曲で、現実を見据えた哲学的な思想も垣間見せながら、無責任に背中を押すのではなく、それでも力強い歌声と演奏で確かにオーディエンスの心を動かす。昨年夏にグループ表記がアルファベットになってから初めてのエビライで、自身が手がけた最新3作を披露し、アーティストとしてさらなるロックへの追求を証明してみせた。 初日の「Dark Heroes」から己の世界観を貫いたのはSUPER★DRAGON。最新アルバム「SUPER X」の衣装で全員が右手で右目を隠すというミステリアスなアクションに始まり、松村のマシンガンのように勢い良いラップから、池田と古川のなめらかなボーカルにグルーヴィーなサビと曲展開も激しく、緊張感のあるパフォーマンスでカメラに不敵な笑みを見せる。2日目はライブ先行で育ててきた「Legend」をドロップ。高速ラップでワイルドなアクションをつなぎ、メンバーの絆を感じさせる振りも交えながら艶あるボーカルへと昇華する曲展開は彼らならではのもの。黒レザーのロングコートを翻し、己の道を切り拓き伝説(=Legend)となるという意志を、場内に向けドラマティックにたたきつけた。3日目は一転、「NPC」でスパドラのスイートな一面を表現。RPG映像をモニターに移し、パーティを組んで進んでいくような振りも入れつつ、ゲームのNPCキャラに恋してしまった心情を柔らかな動きや軽やかなステップ、そして情感あるボーカルで伝えていく。ちなみに今回の3曲は、すべてジャンと松村が作詞に参加。曲作りにもメンバーが深く関わっており、3日間通して多彩なクリエイティビティーでスパドラのイメージを広げてみせた。 ONE N’ ONLYは、打ち上がるファイヤーボールやスパークラーの火花が似合う灼熱のステージを展開。初日に披露したメジャーデビュー曲「BLAST」ではラテンビートに乗せ、メンバー全員で超高速ラップも伸びやかなボーカルも自在に操り、全面赤に染まったステージにピッタリの沸々と湧き上がるようなエナジーを、まさに“BLAST(=爆発)”させていく。2日目の「Fiesta」ではHAYATOが歌い出すなり、大きく手を振る客席から「yessir, sir, sir, sir, sir, sir!」の大合唱が。パッショネイトなダンス&ラップ&ボーカルを野太いビートで休みなく畳みかけ、スペイン語で “祭り”を意味するタイトル通り会場一体となって熱いお祭り騒ぎを繰り広げた。3日目は撃鉄を上げる音に始まり「BOOM BASH」を投下。骨太なダンスビートに乗せたレンジの広いラップ&ボーカルにマッシブなダンス、手のひらを顔や胸に当てながら呼吸音で胸を上下させるセクシーなアクションの最後にHAYATOは大きく舌を出して挑発。得体のしれない空気感で圧倒し、「どの輝きよりもdanger」という低音ラップも納得の3デイズで、6月にメジャーデビューを果たした今のワンエンの勢いを示した。 EBiDANの長男である超特急は、王道、セクシー、エキセントリックと、振り幅広すぎる持ち味を3日間で表現。まず初日の「キャラメルハート」では、胸に手を当てて鼓動の高なりを感じさせるような愛らしいダンスに、透明感ある甘いボーカルで、オーディエンスをとろけさせる。ユーキに手を取られて「ねぇ僕なんてどう?」と誘うタクヤもウインクに投げキスと“デレ”が強めだ。かと思えば2日目は「Steal a Kiss」でセクシーに振り切って、「こっち向けよ」(アロハ)、「素直になれよ」(タクヤ)、「好きなんだろ?」(ユーキ)というおなじみのキメゼリフでも客席は沸騰。全身黒の衣装でボディラインもあらわに、キスを求める煽情的なパフォーマンスでファンを誘惑してみせた。3日目はヘヴィメタルとダンスを融合させた「メタルなかよし」で超特急ワールドを全開に。デスヴォイスがさく裂する曲で暴れまくり、拳とヘドバンをあおりながらも手をつないで互いへのリスペクトを提案するナンバーは“トンチキ曲に見えて実はいい曲”という“超特急あるある”の代表格だ。また、この日欠席した曲センターであるリョウガの代役はハルが務め 「君も友達」と手を出せば、場内は「だよね!」のコールでいっぱいに。懸命に雄叫びをあげ、曲中の語りを入れて白目をむき、思いっきりジャンプして最後にセンターで大きく拳を振り上げたハルには、大きなねぎらいの歓声が贈られた。 ここから間髪いれずに続いたクライマックスでは、全グループが再びオープニングのホテルクルー衣装に着替え、二つのステージをダイナミックに行き来して会場を巻き込んでいくブチ上げメドレーへ。中村が「『EBiDAN THE LIVE』ラストスパート、さらに盛り上がっていきましょう!」と声をあげて始まったICExの「CARNIVAL」では、Lienelメンバーも加わって14人でタオルを振り、そのまま高岡の巧みなコール指南からLienelの「親指☆Evolution!」へとなだれ込み。客席から「Ha! Ha!」の合唱を受けて2組で踊り、上手花道からセンターステージへと進めば、逆サイドから「BUD」を歌いながらBUDDiiSも入場して、ペンライトを振るオーディエンスと一緒に「Go Go! バディ Go!!」と腕を回す。 そして、タオルを投げ捨てたBUDDiiSメンバーと入れ替わりにセンターステージに現れたのが原因は自分にある。。「かませ!」とスリリングなエレクトロスイング曲「Paradox Re:Write」をブッ放す左右の花道ではBUDDiiSメンバーも踊り、その妖しいムードをメインステージに飛び出したM!LKの「恋がはじまる」が爽やかに一変させていく。げんじぶとBUDDiiSの17人を従えて5人がユニゾンボーカルで颯爽とキメたあと、さらにステージ上段ではSakurashimejiの2人が「大好きだったあの子を嫌いになって」をプレー。ここまでに登場した5組の面々もバルコニーに現れて、客席のペンライトと共に大きく手を振り、2人のギター&ボーカルを盛り立てていった。 ここでSUPER★DRAGONが左右にONE N’ ONLYを従えて、センターステージから「Untouchable MAX」を投下。ライトで真っ赤に染まった空間にブルーのレーザーも飛び、気迫みなぎるタフなパフォーマンスで場内のテンションをギリギリまで高めたところで、入れ替わりにONE N’ ONLYがセンターに。今度は「EVOL」が場内を灼熱のラテン色に染めていき、「エヴォエヴォエヴォ」と繰り返されるサビで上がる「Hey!」のコールは開場を揺らすほどの勢いだ。 間髪いれず、メインステージでは超特急が「超えてアバンチュール」をブチかまし、出演9グループ全員で、手をたたいて前に突き出すおなじみのダンスを繰り広げていく。容赦のない変顔をカメラにさらし、「ヘドバンターイム!」とあおるリョウガに、客席は体を振ってペンライトを振り上げ、全力で「リョウガだけ!」とコール。最終日はリョウガの代わりにタクヤがセンターを務め、貴重な変顔に場内は大興奮だ。リョウガになりきっての振り切れたパフォーマンスに「タクヤのせい!」の大コールが湧き、スパークラーの火花やファイヤーボール、さらに大サビでは音玉も爆発する特効の大盤振る舞いの最後は9組で大ジャンプ。ピンチをチャンスに変える超特急の底力をファンに、そして頼もしい背中を後輩たちに見せつけた。 全身全霊で2時間半を駆け抜け、昨年に続きエビライの演出プロデュースをしたユーキは「3日間代々木に立たせていただいて思ったことは…やっぱり、足りねぇなって。EBiDANとだったら、もっともっと大きい景色も見ていけるなって確信できました」と告白。「“EBiDANって面白いな”と感じてもらえたり、EBiDANでしか感じられないメンバーの仲の良さだったりを知るキッカケに今日のライブがなっていたら心からうれしいです。EBiDAN全員がもっともっと光っていけるようなステージを僕も作っていけるように頑張っていきたいと思います」と決意を語った。 そして、これからも共に最高の未来を築いていきたいという思いを込め、タカシの力のこもったロングトーンから本編のラストを飾ったのは「New day! New wave! 2025」。3年前のエビライでお披露目された壮大なナンバーを各グループが歌いつなぎ、金吹雪が舞う中、タカシ&シューヤの力強いツインボーカルで“未来へ進もう”という熱いメッセージを届けていった。 エンディング映像ではリハーサルの模様も特別公開。真剣に振りや動きを確認するなかでも楽しそうにふざけ合う姿や、シャッフルで自分の役をする後輩にアドバイスする先輩の様子もあり、EBiDANならではの温かさと絆を感じさせた。そして「最後まで最高の夏の思い出を作っていきましょう!」と、今回のエビライのために作られた新曲「好きだから走れ!!!!!!!」でアンコールが始まると、9組61人は花道を渡ってアリーナ客席の通路に降り、一部はスタンド席の通路をトロッコで移動しながら、オーディエンスに手を振って間近でコンタクト。 スパドラメンバーは「しっぽず」のカチューシャをつけていたり、どのグループも普段よりラフな姿を見せてくれるのがうれしい。それぞれ客席にサインボールを投げ込み、限界の向こう側へと走っていこうとタカシが伸びやかな歌声を広大な空間に響かせて、EBiDANには欠かせない全体曲「恋心」でフィナーレへ。9組がまぜこぜになったステージではグループを超えたやりとりも随所で見られ、肩を組んだりハグしたりはもちろん、初日には長野が山本を、ハルが同学年の志賀をお姫さま抱っこ。そのハルは佐野にプロレス技をかけられ、EBiDANならではの関係性の深さを感じさせた。最終日の佐野は「今年の夏、悔いないように騒げ!」と叫び、キャノン砲からは公演ごとにゲートカラーに沿った銀テープが発射。「届いてますか?」というラストフレーズには、客席から「届いてるよー!」と答えが返った。 最後は各グループの代表者があいさつし、初日はLienelの最年少・高桑が「僕は今年で高校生になれて、最後まで出られて、すごく楽しかったです!」とニッコリ。また2日目は、近藤が「未体験?」と客席に振って「イケメーン!」とコールさせたのをキッカケに“イケメン戦争”が勃発することに。杢代が「レベチイケメン」コール、ジャンが「トルコイケメン」コール、曽野も山中を引っ張り出して「今日ビジュイイじゃん」コールをリクエスト。最後、シューヤに「ウチには国宝級イケメンがいるんですよ!」と呼ばれたハルは、雑誌の「国宝級イケメンランキング」のNEXT部門で1位を獲得したばかりで、「未体験イケメン? レベチイケメン? イケメントルコ? ビジュイイじゃん? 国宝級イケメンだ! 国の宝です!」と気勢をあげた。 最終日には田中が感動的な言葉を。「僕らEBiDANなんですけど、普段まったく踊んないですし、カッコいいことも言うのは得意じゃないです。挙句の果てに歌う曲は個人的で自分勝手な歌ばかりです。でも、そんな歌がいつか誰かの個人的な歌になるんじゃないかなと僕は信じて、これからも一生歌っていきたいなと思ってますので、良かったら人生の片隅に置いていただければと思います」と伝えて、感動的な言葉に大喝采が巻き起こった。また、佐野がバンドフロアで脱いだのはタクヤの差し金だったと暴露。「本番前に“お前、絶対脱げよ!”って言ったよね?」と詰め寄ったが「言ってませんよ! でも、心に響いたよ。すごい」とタクヤに返されて恐縮し、「日本の音楽業界を担うチームになっていきたいと思いますので、これからもEBiDANをよろしくお願いします」と頭を下げた。 最後にユーキは、もともと演劇で始まったEBiDANの魂を引き継ぎ、エビライで楽器演奏を支えるSakurashimejiに感謝。卒業を控えたHARUKIにも「また、どっかで会おうね」と声をかけ、「人生いろんなことがあるけれど、こうして同じ時間を過ごせているのは奇跡と同じくらいすごいこと」と、ステージに立てる幸せを語った。さらに「重大告知」の文字がモニターに現れ、「EBiDAN15周年記念 新グループオーディション『EBiDAN THE AUDITION 2026』が開催されることが発表。詳細は後日発表で、オーディションの模様はEBiDANの冠番組「DAN! DAN! EBiDAN!」(テレ東)で放送されるという。カイは「皆さまの推しが、さらに増えるかもしれない」と予告し、ステージ去り際にハルが「演出を手掛けてくれたユーキくんにも大きな拍手をお願いします!」と呼びかけると、場内に大きな拍手が湧いた。 「もっともっとみんなを輝かせるように頑張りたいと思います。本日はどうもありがとうございました!」とユーキが一礼して去ると、リョウガが赤いカーペットを歩み、空から降ってきた鍵で015号室の扉を開ける映像が。そして扉の向こうに彼が消えると「EBiDAN THE LIVE 2026 15th Anniversary」「See You Next Year…」の文字が現れた。“NINE STAR(=九つの星)”に、また、新たな星が加わる26年に向け、互いに切磋琢磨(せっさたくま)を続けていくEBiDAN。来るべきアニバーサリーの全貌が明らかになるのを、今は心待ちにしたい。 撮影/ウチダアキヤ、草間智博 文/清水素子